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 国道四十一号線を北上し明治村に到着したのは九時三十分を少し過ぎていた。岡本たちとの約束の時間に少し遅れた。
「こんにちは、遅うなってすんません」
「夏樹さん、バイクできたの、奈良で初めて会った時よりも大きいバイクになっちゃったね」
「あれ、バイクで来るって言うてへんかったかいなあ。浜名湖ではいろいろと、おぉきにぃ」
「いえいえ、楽しい二日間でした。こちらこそ、ありがとう」
「大晦日から正月の朝までは良かったんやけどね、正月の夜はちょっと悪かったんよ」
 正月の夜は名古屋駅前の部屋に風呂もないビジネスホテルに泊まり、夕飯も駅で買った弁当を、部屋で一人寂しく食べたことを四人に話した。
「夏樹さんの服装って、カッコいいのか悪いのか、すごいねえ」
 この日の服装の写真があれば、すぐに分かっていただけるのだが、残念ながら残っていない。文章で説明するのは少し難しいが、できるだけ簡潔な文になるように努めよう。
 上着は《HONDA》とプリントされたメッシュのシャツの上に、黒の皮ジャン、ズボンは皮のモトクロスパンツ、これだけならなんとなくカッコイイように見える。しかし、革ジャンはもちろん合皮で、友達に安く譲ってもらった中古品。右袖には鈴鹿峠でスライディングした時にできた大きな擦り傷がある。モトクロスパンツは本皮だが、オレンジ色で膝には大きな穴が開いていて、ガムテープが張ってある。これも中古品だ。
 四人の美女と変な格好をした男一人で明治村を廻りはじめた。バイクに括り付けていた荷物はロッカーに預けた。



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2010.06.03 / Top↑
 明治村は文明開化の象徴とも言える近代的な建築物を、全国から移築して展示している。もちろん内部も当時の様子を再現している。和洋折衷の構造物も多く見られる。幕末から明治への歴史に興味のある夏樹には、楽しみな施設である。
 建物以上に楽しみにしていたのが、日本最古の路面電車、京都市電だ。施設内を移動するのに利用できる。ガイドブックには明治四十年製造と書いてあったが、ほんとうに復元ではないのだろうか。今では蒸気機関車も走っているようだ。

 美女五人と変な恰好の夏樹は、夕刻までゆっくりと園内を廻り、地元のことや今までの旅の話しをした。
「俺はねえ北海道に行ってみたいねん」
「北海道はいいわよねえ、私も行ってみたいなあ。でも、仕事をしながらの北海道旅行はちょっと厳しいよねえ。小さい会社だから、一週間も休みをとれたら奇跡よ」
 岡本たち四人は同じ会社に勤めていて、四人でよく旅行に行くと言っていた。いずれこの四人で北海道旅行をしたいと、いつも話をしているようだ。
「そやねん、俺のところも長くて五日やろな、それ以上の休みはむりやなあ。北海道に行くだけで一日はかかるやろ。せっかく行くんやから、ゆっくりと廻りたいもんなあ。やっぱり会社を辞めて行くしかないよなあ」
「夏樹さん、会社を辞めちゃうの」
「まだ決めた訳やないけど、今しか出来ないことは、いまやる。後になってあの時、やれば良かったって後悔をしたくないしね」
「結婚しちゃったら、絶対に行けなくなっちゃうよねえ」
「田中ちゃん、結婚するの。お相手はやっぱりあの噂の人と」
「違うわよ、結婚をしたらの話しよ。あの人とはまだ何もないわよ」
「ところで今日はどこに泊まらはんの」
「浜名湖ユースホステルに予約をしているの。夏樹さんは」
「俺は犬山ユースホステルに予約がとれたから」



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2010.06.07 / Top↑
「犬山ユースホステルは満室で断られたんだよ。なぜ夏樹さんは泊まれるの」
「男が一人だけだったからじゃないの、女性用の部屋はいっぱいだったとか」
「じゃここでお別れですね」
「残念やなあ、もうっちょっと皆さんと、いろんな話しがしたかったなあ」
「大晦日に浜名湖に来るでしょ」
「もちろん、行きますよ。出来れば何人かの友達を連れて行きたいけど」
「楽しみにしていますね」
 岡本たち四人は順に声を出し、夏樹に話しかけてくれた。そして、四人ともに大晦日の浜名湖ユースホステルで再会できることを、楽しみにしていると言ってくれた。

 犬山ユースホステルには五時頃に着いた。ほぼ満室状態なのだろうか、玄関から寝室への廊下などに多くの人が行きかっている。夕食までにはまだ時間があるので、風呂に入ることにした。バイクに乗り、はじめての長距離ツーリングに出かけ、転倒をしてしまい、明治村の広い敷地内をあちらこちらと歩き回った。さすがに疲れが出てきたようだ。浴槽に首まで浸かり、浴槽の縁に頭を乗せて目を閉じると、そのまま眠ってしまいそうだった。
 風呂から部屋に戻り、タオルを窓際に干して食堂に向かった。もう夕食を食べている人が何人かいた。四,五人のグループが多いようだ。夏樹は一人で夕食を食べた。疲れた体に少しずつ睡魔が襲ってきていて、他のホステラーに声をかける元気も残っていなかった。
 夕食後にミーティングがあるかどうか分からなかったが、食後は部屋に戻りそのまま眠ってしまった。気がついた時には部屋の電気は消灯されて、二人ほどの寝息、鼾が微かに聞こえていた。




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2010.06.09 / Top↑
 翌朝、目が覚めた時には太陽の光が部屋全体にいきわたり、窓からは心地よい風が流れ込んでいた。同部屋の人たちは朝食を食べに食堂へ行ったのだろうか、誰の姿も見えなかった。時計を見るともう七時四十分だった。
「あらまあ、早く起きんと朝飯を食べ損ねるなあ」
 夏樹は慌ててベッドから立ちあがり、すぐに洗面所へ顔を洗いに行った。タオルを置き、部屋を出ようとした時に、ドアが開き二人の男が入って来た。
「おはようございます。これから朝食ですか」
 髪を肩の辺りまで伸ばした大学生風の男が言った。
「あっ、おはようございます、ちょっと寝坊をしたみたいやね。これから食堂に行ってきますは」
 食堂には朝食を食べ終わり、数人づつのグループごとにコーヒーやお茶を飲みながら、会話を楽しんでいた。
「あら、これから食べるの、冷めちゃったねえ、少し暖めようか」
 厨房の中から一人の女性が夏樹に声をかけた。
「すいません、寝坊してしもうて、急いで食べますから」
「さっき食堂へ来た人もいるし、まだ起きていない人も何人かいるから、気にしないでゆっくり召し上がってください」
 頭に三角巾を被り、白の割烹着を羽織った女性は、笑顔で言ってくれた。
「おぉきにぃ、いただきます」
 朝食の全てをトレーに載せて、太陽の光がテーブル全体を照らしている窓際の席に向かった。
「ここ、空いてますか」
「どうぞ、こんにちは」
「おはようございます、今、起きたんですよ」
「あれ、大阪からいらしたんですか」
「やっぱりわかりますか、大阪の隣から来ました」
「隣って、神戸ですか」
「いいや、京都です」
「京都から一人旅ですか」
 数人の高校生らしきグループの男の子が話しかけてくれた。
「俺たちは高山から来ました。高校のユースホステルクラブの旅行なんです」



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2010.06.11 / Top↑
 高校生たちは男子が六人、女子三人、引率の先生が一人のグループで、今日が二日目の旅なのだそうだ。
「昨日は明治村とモンキーパークのジェットコースターに乗ったんです」
 夏樹の隣にいた男子生徒が言った。
「ジェットコースターはこわかったわ。私なんか涙が出てきて、二度と乗りたくないわ」
 その向かいに座っていた女子生徒が楽しそうに話した。
「ほな、今日はどこまで、行かはんの」
「あっ、京都弁ってやわらかくて、いい感じですねえ」
 ジェットコースタには二度と乗らないと言った女子生徒の隣の女子がにこやかに、ゆっくりと話した。
「そうかなあ、けど怒らしたら恐いで、大阪弁とおんなじ関西弁やから」
「さっ、そろそろ行くよ」
 夏樹たちとは違う並びのテーブルの方から、引率の先生らしき少し年配の男の人が、椅子から立ち上がり言った。
「今日はですね知多半島のユースホステルまで行くんです。これで全員じゃないんですが、一年生にとってのはじめての旅行なんで、近場でユースホステルを体験しようっていう旅なんですよ」
 夏樹の隣にいた男子生徒が立ちあがりながら言った。
「へえ、そうなんや。昨日の夜に知り合えたらよかったね、僕も高校の時はユースホステルクラブにいたんよ。いろんな話しが出来て情報交換が出来たかもしれへんねえ」
「残念やなあ、ヒゲさんはどこへ行かれるんですか」
「今日は名古屋城を見て、岐阜に行きます」
「その先の郡上八幡って言うところはいいところですよ、ぜひ寄ってください」
「おぉきにぃ、じゃあ、いい旅を続けて下さい」
「はい、ありがとうございます」
 夏樹の隣にいた男子生徒は少し頭を下げて、微笑みながら足早に部屋に戻って行った。


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2010.06.14 / Top↑
 夏樹が朝食を食べ終えたころ、食堂には六人ほどのホステラーが残っていた。部屋に戻りユースホステルガイドブックをバッグから取り出した。正月に休館で泊まることが出来なかった岐阜ユースホステルのページを開き、簡単な地図で場所を確認した。その横に道路地図を開き名古屋までの道と、そこから岐阜までの道を探した。
 犬山から、そのまま岐阜に向かえば三十キロメートルしかない。犬山から名古屋、名古屋から岐阜も、それぞれ三十キロメートルほどしかない。今日はゆっくりと移動時間が取れる。出発準備をいそぐ必要はなく、時間の許す限りのんびりと部屋で過ごすことにした。
 ベッドで横になり地図を見ていると、いつの間にか眠ってしまったようだ。部屋の掃除をするスタッフに起されるまで朝寝をしてしまった。
「すいませんでした、すぐに準備をして出発しますから」
「随分とゆっくりですねえ、他のホステラーは皆さん出かけましたよ」
「きょうの移動距離があまり長くないので、ゆっくりしていたら眠ってしまったようですね」
「掃除を手伝っていきますか」
「えっ、今度来た時にお手伝いしますよ」
 夏樹は苦笑いをして出発の準備を進めた。

 名古屋へ向かう国道四十一号線は上下線ともに交通量が多く、思うように前に進むことが出来なかった。天気は晴れ、気温もかなり高めのようだ。スピードを出してかぜを切ることが出来ない状況では、安い合皮のジャンパーでも暑さを感じる。ジャンパーのファスナーを大きく下げ、風を取り込むことで、少しは暑さをしのぐことは出来たようだ。
 名古屋城に着いたのは、十一時三十分ごろだった。


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2010.06.18 / Top↑
 金の鯱鉾で有名な名古屋城は尾張徳川家の居城として栄えた城だ。昭和二十年の空襲でほとんどが焼失し、昭和三十四年に今の天守閣が再建された。とガイドブックには書いてある。再建された城の内部は、ほとんどの場合が鉄筋コンクリートで造られ、最上階は展望台になっていて、その他の階は歴史資料館のようなところが多い。たしか入場料が五百円だったかな、あえて中には入らなかった。城は外から眺めている方が良いと思う。

         名古屋城
  
 名古屋城の廻りを一回りしてバイクが置いている駐車場へ向かった。そのまま国道二十二号線を北上し岐阜に向かった。相変わらず快晴ではあるが、国道の交通量は多く、思うように前に進まない。
「暑いなあ、早うこのジャンパーを脱ぎたいなあ」
 岐阜市内に入りようやく少しだけ交通量が減ってきた。市内に入ると名鉄岐阜市内線を見ることが出来た。少し古そうな車体で、小さな電車だけど、赤い車体が夏樹にとっての路面電車のイメージからは少し離れた印象があり、小さな感動を味わえた。
 赤い電車の向こうに、岐阜城や岐阜ユースホステルのある金華山が目の前に見えてきた。ユースホステルに入るにはまだ早い時間だ。岐阜城に行ってみた。
 元は斎藤道三の居城で稲葉城と言ったそうだが、その後織田信長により占領されて岐阜城と名前を変えた、とこれもガイドブックからの引用である。
 戦国の乱世から現代に至るまでの歴史を見てきた城だと思っていたのだが、ガイドブックの続きを見ると、この城も昭和三十一年の再建だそうだ。ここも最上階は展望台、その下は資料館になっている。名古屋城のような豪華なつくりではないが、下から眺める城を見て少しだけ歴史の勉強を思い出した。 
「たしか斎藤道三は、もともと武士やなかったんとちゃうかいなあ」




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2010.06.21 / Top↑
 金華山と言う小高い山の上に岐阜ユースホステルはある。ガイドブックには「夜景を眼下に楽しいコーヒーブレイク」とある。少々楽しみではある。
 ゴールデン・ウイークの真ん中の日、ここも多くの宿泊者が集まっている。予約を入れたのは四日前のこと、泊まることが出来たのは男が一人だけだったからだろう、全体に女性の宿泊者が多いように見える。
 賑やかな食堂で一人、夕食を食べた。夏樹の周りには大学生のグループが教授や講師への愚痴をこぼしながら、笑顔の絶えない会話が続いていた。旅先での出会いはユースホステルに泊まることの一番の楽しみではあるが、うちはの話題の中には入ってはいけない。食べ終えた食器をトレーに載せ、厨房の返却口と書いてあるコーナーへ持っていった。その横にインスタントコーヒーの大きな瓶と、粉ミルク、砂糖、そして数十人分のコーヒーカップ、ティースプーンが置かれている。ご自由にどうぞと書かれていた。好みの量をカップに入れ、二つ置かれたポットからお湯を注ぎ、そのまま大きな窓の方へ向かった。
「おおう、眼下に広がる夜景やなあ」
 何万ドルの夜景とはいかないが、岐阜の町並みの明かりが美しい。あちらこちらで道路を行きかう車の動きが規則的に動くのが見える。

「こんばんは、一人ですか」
 夏樹の年ぐらいの男の人が声をかけてきた。
「はい、一人です。今日はほとんど満室みたいですね。おたくも一人ですか」
「はい、関西の方ですね。でも大阪ではなさそうですね。神戸か、それとも京都かな」
「ええ、大阪やのうて神戸か京都や言うのが、なんでわかるんですか」
「全国を旅して大勢の人と話をしていると、だいたい分かるようになりましたんや」
「すごいですねえ、たしかに京都から来ました。そちらは関東の人ですね。でも今の関西弁は上手でしたよ」
「なぜか関西の人と仲良くなることが多いんです。そやから、喋れるようになりましたんや。少しだけやけどね」
「今のは、ちょっと違いますは」
 二人は顔を見合わせて笑った。



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2010.06.25 / Top↑
「全国を旅したって言うてはったけど、北海道から九州まで行かはったんですか」
「そうですねえ、一応すべての都道府県を制覇しました。私の住んでいるところは埼玉なんですが、東京に一時間ほどで出て行けるので、北へも南へもどこへでも向かえますからね」
「埼玉ですか。私は関東の人とよく知り合うことが多いんですけど、その中でもなぜか埼玉の人が多いですねえ。昨日も埼玉の人と再会してたんです」
「はあ、なぜか埼玉。今のは、洒落ですか、そういう歌があるのですが」
「あっ、そうかいなあ」
 二人はまた、顔を見合わせて笑った。手に持ったコーヒーカップには何も入っていなくなった。二杯目のコーヒーを作りに厨房の方へ向かった。

「昨日はどちらに泊まったはったんですか」
「浜名湖ユースホステルです、あそこはいいですよ、大きなスピーカーが広い部屋に置いてあり、時々ステレオコンサートがあるんですよ。ペアレントさんもとても良い人ですし」
「浜名湖ですか、大晦日には行かないですか」
「行きますよ、オールナイトでフォークコンサートがありますからねえ。でも去年の大晦日は行けなかったんですよ」
「俺、去年の大晦日に行ったんです、他のユースホステルで知り合った人に誘われて」
 奈良のユースホステルで知り合った岡本たちに誘われて、コンサートに行ったことや、その人たちと昨日、犬山の明治村に行き浜名湖に向かったことを話した。
「その女の人たちのことなら、顔を見れば分かるかもしれませんねえ、もう四年ほど行っていましたから」


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2010.06.28 / Top↑
 昨年の大晦日に初めて浜名湖ユースホステルに行き、オールナイト、フォークコンサートに行ったときのことを話しはじめた。夏樹の話に埼玉の男も頷いた。
「そうそう、去年の大晦日もいつもと同じように盛り上がっていたんですね」
「ほんなら、いっつも、ぜんざいが出るんですか」
「出ますよ、みんなで大きな声で歌った後に食べる甘いおしるこは美味いねえ」
「あっそうか、ぜんざいやのうて、おしるこなんですよね」
「そうでしたね、関西の人はぜんざいって言うんですよねえ」
 関東人と関西人が食べ物の話を始めると長くなってしまう。基本的に大きな違いがいろいろとあるようだ。

 新しく作ったコーヒーを片手に持ち、窓際のテーブルに座った。
「明日はどちらへ行かれるんですか」
「あしたは福井の東尋坊まで走ります」
「随分と遠くまで行くんですねえ」
「あさってで休みが終わるんですよ、昨日はさっき言った人たちと明治村で逢うことになったし、今日はどうしても岐阜に泊まりたかったんで」
「バイクでしょ、東尋坊までは何キロですか」
「百五十キロぐらいですよ。ほんでそこから京都までもそんなもんかなあ」
「雨が降らないといいですねえ」
「おたくはどちらまで」
「伊勢神宮に参ってこようと思っています」
「伊勢神宮ですか、内宮と外宮ですよね。僕は小学校の修学旅行で行くんですよ」
「へえ、そうなんだ」
 この後も就寝時間まで二人でいろんな話をした。今夜も楽しくすごせた。あしたの晴天を願ってそれぞれの部屋で寝ることにした。



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2010.06.30 / Top↑

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