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 夏樹と松井が朝飯を食べはじめると、食堂には次々と人が入って来て、トレーを持った人が行列を作るようになった。
「おはようございます、ここに座ってもよろしいですか」
 夏樹の座っているテーブルにも数人のホステラーが、おかずと味噌汁、ご飯を載せたトレーを持ってやってきた。
「おはようございます。どうぞ、だれも予約はしてませんから」
「ありがとうございます。あっ、昨日の夜にとても楽しそうに話しをしていらした、関西の人たちですね」
 夏樹のいたテーブルに大学生風の男女六人組が相席してきた。
「いやあ、お恥ずかしい、うるさかったでしょ、遠慮なく大きな声で笑うてさかいなあ」
「そうそう、ヒゲのお兄さんは、思いっきり大きな声で笑うてはったからなあ」
「自分かて、けっこう大きな声で、笑うてたで」
「随分と仲がいいんですね、ご一緒に旅行をされているんですか」
 大学生風の一人の女性が微笑みながら言った。
「冗談、よしこちゃんや、うちは一人で来たんやけど」
「そのとおり、昨日の夜に、はじめて知りあったんや、この人にはフィアンセがいたはんのやから、俺みたいな辛気臭(しんきくさ)い男が入って行く隙間なんか、どこにもあらへんのですわ」
「ちょっと、変なことを言わんといてや、フィアンセって何のこっちゃねん」
 松井は大きな声でそう言うと、椅子から立ち上がった。でも、顔が少し赤くなったように見えた。
「昨日、知り合ったのにそんな会話ができるんですね、すごく不思議な気がします。それが関西人の、良いところなのでしょうか」
 大学生風の一人の男が言った。
「いや、たまたまやんか、たまたま」
 朝食と言う短い時間だったが、夏樹たち八人は情報交換や住んでいるところの話を、お互いに語りあった。そんな楽しい時間は、いつもより早く時が進んでいくものなのだ。




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2011.02.01 / Top↑
 朝食を食べ終え部屋に戻り出発の準備を始めた。昨日の午後からは、皮のモトパンは少し暑かった。ジーンズでも間に合いそうだった。皮のモトパンを履かずにバッグに仕舞うと、荷物が大きくなるが暑さを我慢するよりはと、無理やり押し込んだ。
 ヘルメットと荷物を持って外へ行くと、すでに数人のホステラーが出かける準備をしている、と思ったら多くの人は軽装で荷物も持たずにいた。その時は何かが始まるとは思いもしなかった。
 荷物をバイクに括り付けたところへ、松井がヘルメットだけを持て現れた。
「きょうは、どっちへ行くんやたかいなあ」
「この近辺をツーリングして、ここにもう一日泊まって、明日はどうしようかな」
「もしかして、明日からはここでヘルパーとちゃうのん」
「えっ、なんで」
「そやかてフィアンセは、しばらくここにいるんやろ」
「だから、そのフィアンセって言うの止めてもらえへんかなあ。たしかに結婚の約束はしたけど、そんなシャレたもんや無いから。勘弁してよ」
「ごめん、ごめん。ええっと名前なんやったかいなあ」
「ヨシオ、上田義男」
「その義男君は襟裳にしばらくいるんやろ、一緒にヘルパーをして、夏休みを過ごすのも、ええのとちゃうか」
「いやや、周りの人に気を使わんなんし、気を使わせるやろ。そやから二、三日いたら私は一人で旅を続けるわ」
「なんや、きょう出発せえへんの」
 二人の後ろから義男が突然、現れた。


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2011.02.03 / Top↑
 なんの気配もなく背後から上田義男が現れ、松井は手に持っていたヘルメットを落としてしまうほどに驚いた。
「あほかあ、突然、後から大きな声で現れたら、ビックリするやろ。ヘルメット落としてもうたやんか」
「あっ、ごめんごめん、べつに驚かすつもりは無かったんやで、さっきから手を振って合図をしてるのに、気がついてくれへんから。美子さん、きょうはここに泊まるんやて、空いてたかいなあ」
「大丈夫や、昨日のうちにちゃんと予約しといたから」
 二人とも文句を言いながら、他人が見ると喧嘩をしているように見えるのだろう。でもとても仲がよく、喧嘩のような会話が二人にとっての、良い付き合い方なのだろうと思った。
「ほな、俺はそろそろ行きますわ。上田さん松井さんいつまでも仲ように。また、どこかで会えたらええねえ」

                     えりもユースホステル①

 夏樹はカメラを取り出し、近くにいた別のホステラーにお願いをして、三人の写真を撮ってもらった。そのカメラを受け取った時に、頭の上の方に何かが動いていることに気がついた。なんと建物の屋根の上に、様々な旗を持った集団がいるのだ。
                    
        えりもユースホステル②
                        えりもユースホステル③

「上田さん、あれって何をやってはんの」
「連泊する人や、まだ、出発せえへん人たちが、帰っていく人を見送ってくれはるんや。あそこに上がると、向こう側の道路まで見えるから、ずっと見送ってくれてるんや」
 これがユースホステル、これが若き想いなのだろう。その想いに答えるようにバイクをゆっくりと運転しながら、屋根の上の人たちが見えなくなるまで手を振った。また、どこかで会えることを願って。




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2011.02.07 / Top↑
 憧れの大地、北海道に上陸して二日目は、朝からどんよりと曇っていた。
 えりも岬ユースホステルの多くの宿泊者による、屋根の上からの見送りを受け、少し後ろ髪を引かれながら、ゆっくりとバイクを走らせた。ユースホステルからほんの五分ほどの所にある襟裳岬へ向かった。
 全国各地に岬はあるが、『○○岬』と書かれた看板などがあるだけで、地図で見るような鋭角な風景は今までに見たことがなかった。しかしこの襟裳岬は日高山脈の続きが、そのまま鋭角的に海に入り込み、まるで恐竜の背骨の様な形をしている。感動した。

                 襟裳岬

                 日高昆布

 国道336号を浦河方面へ向かう。太平洋の沿岸は日高昆布の産地で、沿岸の海で獲れた昆布を浜に引っ張り上げ干していた。

                 日高①
                 日高②

 さらに進むと日高の牧場郡が続く。競馬のサラブレッドが飼育されている牧場で、姿の美しい馬たちが放牧されている。
 浦河町の手前から国道236号になる。浦川町の市街地を走るころから夏樹のバイクの前をゆっくりと走る車がいた。時速50キロ規制の道路を40キロぐらいで走っている。追い越したくてもセンターラインは黄色の線が引かれている。ここ右側へのはみ出し走行は禁止である。いわゆる「はみ禁」だ。
「ああ、めんどくさいなあ。もうっちょっとスピードを出せへんかなあ」
 ぶつぶつと独り言を言った。市街地を過ぎても黄色のセンターラインは続き、前を走る車の時速は40キロを上回ることはなかった。何度となく黄色の線を越えて追い越そうかかと思いながら、いやいや追い越せば規則違反になるから駄目だ。でも「めんどくさいなあ、辛気臭いなあ」と二つの心が葛藤していた。


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2011.02.09 / Top↑
 道路の両側に数件の家が並ぶ集落に入った。その一軒の家の前に、前を走る車を運転するおじさんの知り合いがいるのだろう、窓を空けて手を振り、ひとこと、ふたことの会話をしている。その車のスピードが減速はされても止まる様子はなく、夏樹のイライラがピークを迎えた。
「ええい、行っちゃえ」
 少しスピードを上げて、そのゆっくりと走る車を追い越した。黄色いセンターラインをほんの少しはみ出したように思う。
 追い越しをしてすぐにパトカーのサイレンが後のほうから聞こえて来た。
「前を走るバイク、止まりなさい」
「ええ、どこに隠れたんや、あのパトカー」
 こういう時はほとんどの運転者は、運が悪いと思うのだろう。だって前の車があまりにも遅すぎるし、対向車線の前方の安全もしっかりと確認した。でも、そこにはパトカーがいた。やはり運が悪いとしか言いようがないと思った。
「なぜ止められたか、分かるか」
 ミニパトカーから降りてきた警官は、五十歳前後の色黒のおじさんだった。
「さあ、少しスピードが出てたのかなあ」
「違うなあ、さっき一台の車を追い越しただろ」
 話し方に少し訛りがあり、少し聞き取りにくかった。
「はあ、そうやったかなあ」
 夏樹は少し惚けて答えた。そこへ先ほどのゆっくりと走る車が近づいてきた。相変わらず遅いスピードで走っていた。警官はその車を止めて、運転者に声をかけた。
「あんた、このバイクにあそこの家の前で越されたか」
「ああ、越された」
 なぜか警官の顔を見て微笑んでそう答えた。
「間違いねえな」
「ああ、ねえよ」
「んん、ご苦労さん、気つけて走れよ」
 警官がそう言うと運転者は窓を閉めて、ゆっくりと走り去った。
 


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2011.02.12 / Top↑
「ここのセンターラインは黄色だから、これを超えて右側を走ると、右側通行と言うことで違反だから」
「さっきの車があまりにもゆっくりと走るから・・・」
「止まっていた訳じゃないから、君が追い越した所は制限時速40キロだ、それより遅い速度で走らないといけないのだから、特別にゆっくりと走っていた訳じゃねえよ」
 この警官の話し方には訛りがあり時々、聞きとりにくいが、言っていることは正論である。
「はあ、すいません」
「今の季節になると、道外から多くのバイク乗りが来る。みんな飛ばしてこの町を
走って行く、事故を起したらどうするんだよ」
 そんなことを話しながら、違反切符を取り出し、免許証の提示を求められた。
「ほう、京都から来たの。良いところだよね、行ったことはねえけど」
 違反切符に現住所、本籍地、免許証番号などを書き写し、胸ポケットから印鑑を取り出し、口に近づけ大きく息を吐きかけ名前の横に押した。
「いつまで北海道にいるの」
「あしたには小樽からフェリーに乗って、帰りますけど」
「ほうか、帰ったらなるべく早く反則金を振り込んで、振込が遅くなると、出頭してもらうことになるから、いいねぇ」
 そう言うと何枚か綴りになった反則切符の一番上の紙を切り離し、渡された。そこには「反則金5.000円」と書かれていた。
「げげげっ、五千円!」心の中で叫んだ。
 余談であるが、一般に罰金と反則金は違うようだ。罰金は裁判所の決定で前科とか前歴が残るようだ。今回の場合は略式のもので、現場の警官の裁量で決まり、前科などは残らないようだ。警官の友人に罰金と反則金の違いを懇々と説明されたことがあった、要約するとこのようなことのようだ。


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2011.02.14 / Top↑
「もう一回違反すると免停になったりするから、そうするとバイクを北海道に置いて帰ることになるから、気をつけてスピードを出し過ぎないように、安全運転で走るように」
 そう言うと免許証を夏樹に返した。その横を二台のバイクが通り過ぎて行った。えりもユースホステルに居た人たちのようだ、見覚えのある顔だった。不運だったねえと言っているような表情だった。本当に不運だった、と言ってはいけないのだが、あの運転者と警官の計画的な行動ではなかったろうか、などと不謹慎なことを考えてしまいたくなるほど、タイミングが良すぎやしないか。いまさらどうにもなりはしないが、とても悔しい思いだ。ほんの少しのことで減点され、反則金を支払わなければならいのだから。この後、小樽に着くまでは今まで以上にスピードを押さえ、安全運転で走ったことは言うまでもない。

 ここから小樽までは違反したことで、警察に反則切符を切られてしまったことが、とてもショックで、周りの景色を見る余裕などなかった。免許を取得して初めての違反切符が、北海道で貰うことになるとは、二重のショックである。違反切符を切られたところから、小樽まではおよそ200キロメートルもあるのだが、どんな風景だったか、ほとんど覚えていないし、写真も残っていない。日高地方のサラブレッドの写真の次は、小樽の町を写したものだ。それも翌日の朝に撮ったもののようだ。初めての北海道での二日目は、違反切符のことでいっぱいになっていたようだ。



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2011.02.17 / Top↑
 北海道上陸二日目の宿は、展望台とスキー場などがあり、小樽市民に親しま れている天狗山の麓にある、小樽天狗山ユースホステルに予約している。ここも満室のようだ。玄関先には多くのバイクや自転車が綺麗に並んで停められていた。
「こんにちわ、ただいま」
「はあい、お帰りなさい。ええと、お名前は」
「夏樹といいます。はい、予約の葉書です」
「あっ、夏樹さんですね、じゃあこれに住所とか名前とかを書いて下い」
 ここのユースホステルのヘルパーさんかな、二十代の女の人が応対してくれた。
「ええ、ここのユースホステルって葉書で予約しないと泊まれなかったっけ」
 受付の近くにいた男が夏樹の出した葉書を見ながら言った。
「ここのユースホステルは定員があまり多くないから、今の季節は早めに予約しないと、泊まれないこともありますよ」
 受付で応対してくれた女の人が言った。
「じゃあ、俺って運が良かったって言うことですね。きのうの夜に電話をして予約をしたんだよねえ」
「一人でしたし、ちょうどキャンセルもありましたから」
 丁寧な言葉でその女の人は話してくれた。
「あのう、ヘルパーさんですか」
「いいえ、ここの職員です。冬はスキー場の仕事もするんですよ」
「へええ、スキー場もあるんですか。北海道やから、いっぱい降るんやろねえ」
「日本海側で海に近いから、雪も多いけれど風もけっこう強いですよ」
「ほな冬のユースホステルには、スキー客が多いんですね」
「ほぼ全員ですね」
「冬の雪景色も見に来たいなあ、スキーはやったことがないんやけどね」
「ちゃんと教えますよ、私はインストラクターをやっていますから、それにウエアーもスキー用具一式もレンタルで貸しますから、泊まる準備だけでして来てください」
 その女の人はずっと笑顔で話してくれた。

              小樽天狗山
        小樽天狗山ユースホステル前から



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2011.02.20 / Top↑
 当時、京都の友人でスキーをしていたのは一人しか覚えがない。それだけ夏樹の周辺では、メジャーなスポーツではなかったようだ。とにかくスキーをするには遠方へ出かけなければならない、日帰りでスキーが出来るところは少なく、滋賀県の比良山系か、京都市の北部に花背と言う山間部の地があるが、確かそこに一本だけのゲレレンがあったように思う。
 とても親切、丁寧に教えてくれる女の人は、夏樹が書いた宿泊カードと会員証を受け取ると、シーツを渡してくれた。
「夕食は六時三十分からですから、良かったら先にお風呂へどうぞ」
「はい、おぉきにぃ」
 シーツを受け取り、部屋に向かった。
 憧れの地、北海道を愛車で走り、思っていた通りの雄大な風景に出会い、ユースホステルで良き人と出会い、心地よい休暇を過ごしていたのだが、二日と半日ほどしか居ない北海道滞在期間のちょうど半ばで、つまらない違反で反則切符を貰うはめになった。とてもブルーな気持ち(死語でしょうか)になってしまった。風呂に入ってもそこそこであがり、部屋のベッドの上でゴロゴロとして、寝たような寝ないような時間を過ごしていた。
 夕食も一人で食べ、その後も部屋に戻り、再びゴロゴロとしてなんとなく過ごした。ミーティングはなかったようだ。

 北海道上陸三日目、小樽の空は快晴だった。敦賀行きのフェリーは十時過ぎである、早めに朝食を済ませ、北海道滞在の残り少ない時間を、有効に利用して観光をすることにした。朝食をさっさとすませ、ユースホステルの玄関に置いてあった観光案内図を見て、早々に小樽の町へ出かけた。


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2011.02.22 / Top↑
           小樽港遠景

 天狗山ユースホステルは天狗山の麓の少し小高い場所になる。そこからの眺めは良く、快晴の空模様が遠景の海までも綺麗に見せてくれる。
 ゆっくりと景色を見ながら海に近いところまで走った。レンガ造りの古い倉庫が川沿いに建ち並び、その川には貨物船だろうか小型の船が繋がれている。後になって分かったことだが、小樽と言えば運河が有名な観光名所なのだそうだ。川ではなく、運河なのだということも、のちのちなって知った。現在は運河の一部が埋め立てられ、観光用に綺麗に整備されているようだ。このときの運河の写真は貴重な資料になるのだろうか。

小樽運河1
       
             小樽運河2

                         小樽運河3

 ユースホステルで貰った観光案内図に「北海道鉄道記念館(現小樽市総合博物館)」と言う文字が目に入った。鉄道好きの夏樹にとっては外せないスポットだ。
 案内標識と観光案内図の地図を頼りにバイクを走らせた。入り口の案内版には入場無料と書いてあった。しかし喜びもつかの間、開園時間が十時からなのだ。現在は八時三十分である、十時までここに居たら敦賀行きのフェリーに乗り遅れてしまう。しかたなく門の外から見えるところを、背伸びなどをして覗いていると一人のおじさんが声を掛けてきた。
「どうぞ、中へ入って見て行って下さい」
 にこりと微笑んで大きな門の横の小さな門扉を開けて下さった。
「ええっ、かまいませんか、見せてもらってもよろしいんですか、開園前ですけど」
「どうぞ、資料館などの室内はまだ開けることは出来ないが、屋外の展示物は見ることが出来ますから。どこからか、旅行でいらしたのでしょ、せっかく来ていただいたのだから、どうぞ」
「ありがとうございます」
 カメラをバッグから取り出し、門の中へ入って行った。



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2011.02.25 / Top↑
 ここは北海道、鉄道発祥の地である旧手宮線の手宮駅があった敷地を利用してつくられた。室内展示室は、旧日本郵船小樽支店の建物を利用しているとのだと、門を開けてくれたおじさんが説明してくれた。国鉄を退社後にここで管理と案内をしていることも話してくれた。
「SLも展示してあるんですね」

                 博物館1

                 博物館2

                 博物館3

「関西の人ですね、遠いところからようこそ」
「転車台も残ってるんですねえ、北海道やからラッセル車も展示してあるんや」
「室内展示室には、開業当時の蒸気機関車を何台か展示しているのですが。その中でもアメリカから輸入された7100型蒸気機関車は、とても姿が美しく愛称を「しずか号」と言うのです。義経と結ばれぬ恋の相手の名前ですよ」
「へえ、源義経ですか」
「そう、その義経はいま、大阪の交通科学館(現 交通科学博物館)に展示してあるのですよ。北海道と小樽、今も一緒になれないのです」
 そのおじさんは、優しい語り口で義経としずかの悲恋物語を簡単に話してくださった。現在までに義経号としずか号は、三度の再会イベントが行われているようだ。
「さて、そろそろ行かないと、フェリーが十時過ぎの出発なんで」
「残念ですね、せっかく小樽まで来ていただいたのに、しずかに会ってもらえなくて、またゆっくりといらしてください」
「おぉきにぃ、ありがとうございます。ぜひ、今度はゆっくりと会いに来ます」
 そのおじさんは門のところまで見送ってくださった。


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2011.02.28 / Top↑

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