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 蛭ヶ野高原までは、いまいる所から百キロほどのところにあった。ゆっくりと辿り着ける距離だ。
「よし、スキー場もあるから、キャンプ場もあるやろ。なかったらスキー場の木陰にでもテントを張ったらええし」
 バイクの後に積んだ荷物には大きな全国地図とユースホステルのガイドブックが入っている。今のところこの二冊以外に情報を知る手段はなかった。必要になれば行った先で買えばいいじゃないか。
 岐阜からは国道158号線に入る。この道は以前にも通ったことがあり、なんとなく見覚えのある風景を見ながら走った。郡上八幡を過ぎたころ、進行方向の空模様が怪しくなってきた。初日から雨に降られて雨合羽を着ての走行はあまり喜ばしいことではない。雨の降り方が強いようであれば、近くのユースホステルに電話を入れてそこに泊まるのもいいだろう。今回の旅はそんな我が儘なことが出来るのだから。
 進行方向の空は暗いが、いま走っているところは曇っていても雨は降ってこない。このまま降らずにいてくれれば良いのだけれども、突然ヘルメットのシールドに数粒の雨滴があたった。
「あら、いよいよ降ってくるのかなあ」
 しかし、数粒の雨滴だけでその後は降ってこなかった。白鳥に入ると道路が濡れていて、つい先ほどまで雨が降っていたことが分かったが、それも直に乾いた道路に変わった。白鳥付近だけに降った通り雨のようだ。
 白鳥を過ぎ二十キロほどで蛭ヶ野高原に着く。空は曇っているが、雨が降りそうな雲ではなさそうだ。蛭ヶ野高原にはスキー場とコテージなどの建物もある大きなキャンプ場があるようだが、駐車場には車が停まっていなかった。


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2011.11.01 / Top↑
 蛭ヶ野高原キャンプ場の管理棟が駐車場の入り口付近にあった。
「こんにちは。キャンプをしたいのですが」
「ようこそ、いらっしょいませ。お一人のようですが」
「はい、一人です」
「実は今日ですね、地元の中学生たちのキャンプ授業がありまして、かなり賑やかですよ。もしよければペンションなんかもありますけど」
「いやあ、かまいません、大丈夫ですよ」
「そうですか、じゃあ中学生以外はお宅さんだけなんで、料金はサービスしますよ」
「ほんまですか、おぉきにぃ、ありがとうございます。あのうバイクで中に入ってもかまいませんか」
「どうぞ、どこでも好きなところにテントを張って下さい」
「それと、この辺に食品なんかを売ってる店はありますか」
「ないですねえ。ここにも少しは置いてますから、ご利用下さい」
「ほな、あとでビールを貰いに来ます」
 バイクに跨りゆっくりとキャンプ場の中へ入っていった。木立の中に大型で三角形のテントがあちらこちらに張られていた。その間を白い体操服と赤のトレパンをはいた中学生が動きまっていた。その脇の小路をバイクが走って来たものだから、一斉に注目を浴びてしまった。そんな大勢の中学生の眼差しを気にしていない振りをして、テントを張るに良い場所を探しキャンプ場の奥の方へと進んだ。
 中学生の集団からはかなり離れた奥の方で、水場に近い所にテントを張ることにした。バイクから荷物を降ろし、まずはテントを取り出した。そして直径十四センチほどのものに、一回り小さいものを重ねて収納できるアルミ製のコッヘルを取り出した。大きい方に一食分の米をいれて飯を炊き、小さい方で湯を沸かした。今日の夕食はレトルトのカレーライス、そしてビール。

               コッヘル



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2011.11.03 / Top↑
 キャンプ場の入り口にある管理等へビールを買いに歩いて行った。再びキャンプ授業の中学生に注目されながら、出来るだけ彼らから離れたところを歩いた。管理人さんが戸締りをして帰る準備をしているところへ建物の中に入り、ビンビールを一本買った。
「明日のお帰りの時には、私はまだ来ていないと思いますので、ここに空きビンを置いていって下さい」
 管理人さんはそう言うと、入り口のドアの下のほうを指で示した。
 テントに戻り飯を炊くためにキャンプ用のガスバーナーに火を点け、米の入ったコッヘルを載せ、ビールの栓を抜いた。
「ふうぅ、うまい」
 おもわず大きな独り言が出てしまった。

                  ひるがの高原

 飯は炊きあがったが少し芯が残ってしまった。それにレトルトのカレーをぶっ掛け腹を満たした。ステンレスカップに入った二杯目のビールを飲み干すころには程よく酔いが廻り、その場に横になった。その時だったマイクを通した大きな声が聞こえてきた。
「あ、あ。マイクのテスト中・・・。○○中の皆さん、クラスごとに中央広場に集まってください」
「おう、始まったな」
 先ほどから中学生たちがテントを張っている中央付近にキャンプファイヤーが大きく燃えだしたのが、夏樹のいるところからも伺えた。キャンプと言えばキャンプファイヤーを囲んでフォークダンスだろうと、一人で思いにふけていると、聞き覚えのある「マイムマイム」の曲がスピーカーから聞こえてきた。
 もうすでにビールはビンにもステンレスカップにも残っていなかったが、もともと酒が強くない夏樹にとっては、程よい酔いを通りすぎ、大きな睡魔が押し寄せていたから、大きな音で聞こえる「マイムマイム」の音はさほど気にならなかった。




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2011.11.06 / Top↑
 少し足元がふらつくほどの酔っぱらい状態で、歯磨きを付けたブラシを銜え、カレーの食べ残しが付いたコッヘルを持ち水場に向かった。食器洗剤を持ってこなかったので水洗いで残ったカレーを落とし、粗めの砂を少しだけコッヘルにいれ、素手で砂をまぶして洗った。そのまま歯磨きも済ませた。今でもそうなのだが、どんなに酔っぱらっていても歯磨きだけは必ずやってから寝ることにしている。
 洗い終えたコッヘルと磨き終わったブラシを持ちテントに戻った。その間もずっと「マイムマイム」が鳴り続けていたが、あまり気になることはなく、長旅の初日と言うこともあってかテントの中に潜り込むと同時に眠りに入ったようだった。まだ九時を少し過ぎたころだったと思うが、今までならこんなに早い時間に眠りに入るのは、風を引いた時か、飲み過ぎた時だけである。

 翌朝は五時に目が覚めた。あまりにも早い時間に眠りに入ったものだから、今までにあまり経験したことのない時間に自然と目が覚めてしまった。
 まずはタオルを持ち水場に行き顔を洗った。そこへ眠そうな目を擦り、タオルを首から掛けた数人の男子中学生がゆっくりと歩いてきた。
「おはようございます」
 夏樹が先に声をかけた。すると男子中学生が突然の大きな声に驚き、目が覚めましたといった顔になった。
「あっ、はい、おはようございます」
「随分と早いねえ。起床時間になったら先生がマイクでモーニングコールをするんじゃなかったの・・・」
 マイムマイムの曲が終わり、スピーカーから先生の声で起床時間は六時、先生がマイクで起こしますからと言ったのが、完全に酔っぱらいながらも聞こえていたような、微かな記憶がよみがえっていた。



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2011.11.08 / Top↑
 男子中学生たちは完全に目が覚めましたと言う顔になった。
「はい、そうですが、なんだか早くに目が覚めてしまい、それでこんなに早い時間に起きたことがなかったんで、テントから出てきました」
「起きたんじゃなくて、一晩中しゃべていて寝なかったのとちゃうますか」
「ええ、何で分かったのですか」
 一番背の高い男の子が言った。
「いやあ、なんとなく、そうなんとちゃうかなあと思って」
 男子中学生の全員が照れ笑いをした。
「バイクで来ているんですよね。一人ですか。どこから来たんですか」
 メガネを掛けた中学生が後ろの方から一歩前に出て話した。
「そうです、一人で京都からバイクで来ました。これから本州を北上して北海道まで行きます」
「北海道ですか、すごいなあ、一人旅ですね」
 メガネを掛けた中学生は興味津々の様子だ。
「何日間の旅なんですか」
「さあ、分かりません、何日でしょうねえ」
「そんなに長い間、会社を休んでもいいんですか」
「辞めて来ました。日本中を旅してみたくて、それが夢だったから」
「カッコいい」
 二,三人の中学生がほぼ同時に声を発した。
「カッコ良くはないなあ。君たちのお父さんは毎日、ちゃんと仕事に行くでしょ、それの方がずっとカッコいいと思うけどなあ。毎日、きちっと決まったことを何事も無く行うことが、本当は一番カッコいいと思うよ。僕もこの旅が終わったら、そういう風にならないと、あかんなあと思う」
「じゃあ、今は充電期間ですね」
 メガネを掛けた中学生が言った。夏樹は彼の胸に書かれた名札を見た。
「君、ええこと言うなあ。高橋君かあ、学級委員長みたいやな」
「違いますよ、こいつは文化委員なんです。学級委員長はこいつ」
 一番背の高い中学生が、後ろの方で黙って聞いていた小柄な男の子を指差した。


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2011.11.11 / Top↑
 男子中学生たちは、彼らの学校のことや部活のことを色々と話してくれた。そして夏樹にも様々な質問をしてきた。その時も学級委員長の彼だけは、微笑みながら話を聞くだけで、一度も話さなかった。
「あっあ、○○中学校のみなさん、おはようございます、気持ちのいい朝です。起床時間になりました、六時半からラジオ体操をしますから、その前に顔などを洗い、少し身の回りを片付けてください」
 スピーカーから先生の大きな声が聞こえてきた。
「じゃあ、みんな顔洗ってテントに戻ろう」
 学級委員長がみんなに声を掛けた。「どうも、ありがとうございました」と、それぞれが言って戻っていった。最後に学級委員長が夏樹の前に立った。
「楽しいお話を聞かせていただいて、ありがとうございました。気を付けて旅を続けてください」
「はい、ありがとうございます。僕も楽しい時間がすごせました」
「あのう、お名前を聞いてもいいですか」
「えっ、私は夏樹と言います」
 そう言って彼の前に右手を差し出し、握手を求めた。彼も快く手を出し笑顔で言った。
「僕は松本です。夏樹さんのことは忘れません。それじゃ、ありがとうございました」
 笑顔のまま走ってテントに戻って行った。
 夏樹も顔を洗いテントに戻って湯を沸かし紅茶を入れ、昨日ここへ来る前に買った五個入りのあんぱんを三個だけ食べて朝食にした。テントを片付け荷物をまとめてバイクに積み、エンジンを掛けた。今日はどこまで行こうかな。とりあえず、上高地へ行くことは決めていた。
 ゆっくりとキャンプ場内を走って行くと、先ほどの中学生が夏樹を見つけ大きく手を振ってくれた。夏樹もそれに答えて右手を大きく振った。




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2011.11.14 / Top↑
 国道158号線を高山へ向かう。高山には一度訪れたことがあるので、通過し国道158号線を長野との県境にある平湯温泉を目指す。奥飛騨温泉郷のなかで最大の温泉街で、雪が残るアルプスの山々に囲まれた山間の温泉街だ。平日なのだけれど多くの観光客が来ていた。アルプスの山はこれからが観光シーズンのようだ。
 道路の両側に立ち並ぶ旅館や土産物店の間を通り抜け、さらに国道を東へ進んだ。山道に入ると先頭に観光バス、その後を四台の乗用車が列を作って走る最後尾に追いついてしまった。観光シーズンには大渋滞が起こってしまうと何かに書いてあったことを思いだした。センターラインが引かれていない道が続き、対向車線に同じようなバスが来ると、行き違うのが大変な場所がほとんどの狭い道路は、両側に背の高い木々が迫り、急な斜面の山肌の下を走ることもあった。
 バス一台と乗用車四台の後に付いて走ると、速度が遅く少しイラッとしてしまうが、追い越しが出来るような安全な場所はなく、そのまま付いて走っていた。いつの間にか夏樹のバイクの後ろには、十台以上の乗用車と数台の観光バスが付いて来ていた。
 進行方向が180度変わってしまうヘヤピンカーブを何回か曲がったころには、周辺の山の頂が近づいてきている。峠が近いのだろうか。その時ふとあることに気が付いた。平湯温泉から山道に入ってから、一台も対向車が来ないのだ。バスを先頭に十数台、いやそれ以上の乗用車やバス、バイクが金魚の糞のように連なって安房峠を目指して走っているのに、長野県側からは一台も車が来ないのだ。
「おかしいなあ、何でやろう」

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2011.11.19 / Top↑
 平湯からここまで二、三台の車とバイクには会ったように思うが、夏樹の後ろに並んでいる大行列になるような台数の車には会っていない。
 突然、視界が広がった。目の前に「安房峠」と書かれた大きな標識が現れ、その下には「長野県安曇村」と書いてある。県境の峠に辿り着いたようだ。平湯温泉からおよそ8キロだった。車が数台だけ駐車できる場所にバイクを停め、バッグからカメラを取り出した。夏樹の後には何台の乗用車やバスが連なっていたのか、最後尾が通り過ぎるまでにしばらくの時間がかかった。岐阜県側から来た車列の最後尾が通り過ぎてまもなく、長野県側から観光バスが登って来るのが見えた。夏樹の目の前を通り過ぎると、その後ろには数十台の乗用車とバス、バイクが連なって走って来た。こちらも夏樹と同じように一台のバスが先頭になり、金魚の糞状態で大行列を作っていたのだ。どちらも先頭のバスの前に走っていたであろう車たちは、さっさと先に行ってしまったようだ。だから対向車に会わなかったのだ。

           安房峠1
                    安房峠2

 峠から長野県側に入ると、雪が残るアルプスの山々が目の前に広がる。地図を見ると、ここからがヘアピンカーブの連続で、道路脇からはほぼ垂直に下の方が見える。峠道を降りたところから左へ行くと上高地に入って行くようだが、その三叉路が確認できる。
 急勾配の180度ヘアピンカーブを何回曲がっただろうか、どのカーブもスピードを確実に落として曲がらないと、転倒してそのまま崖の下へ落ちてしまいそうだ。もちろん対向車がいつ目の前のカーブを曲がって登ってくるのか予測は出来ず、直線部分でもスピードを控えめにして走った。



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2011.11.21 / Top↑
 いくつ目のヘヤピンカーブを曲がった時だろうか、バスを先頭にした大行列に追いついてしまった。大行列は完全に停車している、おそらく先頭のバスが対向してくるバスか、それともトラックのような大きな車と行き違うのに難儀しているからなのだろう。広い道路で渋滞している時は、停車している車たちの左側をすり抜けて前に出るのだけれど、狭く先の見通しの悪い道路では、おとなしく待っているしかできない。
 しばらく待っていると4tぐらいのトラックが坂を登って来た。その後には数台の乗用車とバイクと観光バスが行列を作って付いていた。下りの行列が停車していた理由はこのトラックたちの行列だったようだ。登ってくる行列の最後尾が横切る前に、下りの行列も動き出した。
 狭くて急な下り坂がようやく終わり谷の底へ着いたようで、少しだけ坂の勾配が緩くなったような気がする。右の方を見ると安房トンネルの工事が始まっていた。この時から10年ほど後に開通したようだ。さらに700mほど進むと左上高地、右松本の標識が見えた。
 道路わきの横断幕には上高地へのマイカー規制の案内が書かれている。上高地へはバスとタクシーそしてバイクだけ。(今ではバイクと一般の観バスも規制の対象になっているようだ)そのため先頭のバスをはじめ数台のバスは左へ、乗用車は右へ曲がって行った。夏樹もバスの後ろに付いて右へ曲がるとすぐに落石防護のシェルターに入った、そしてすぐに停まってしまった。



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2011.11.25 / Top↑
 停車したとことから50メートルほど先にトンネルがあり、赤色の信号が見える。その周辺にバスやタクシーの運転手たちが車から降りて、煙草を吸っていた。信号の下には「青3分、赤15分」と書かれた標識が見える、赤になったばかりだとすると15分ほど待たなければならない。ここでも道幅が狭いから停車している車やバスの左側をすり抜けて先頭の信号のところへは行けなかった。もちろん右側もいつ対向車がトンネルを抜けて走って来るか分からない、行列を作って信号待ちしているタクシーやバスの後でエンジンを停め大人しく待っていた。それから間もなくトンネルを抜けて1台の路線バスと数台のタクシーが走って来た。まだ午前の早い時間だからなのか上高地から帰ってくる車は少なかった。
 数台のバスとタクシーが通り過ぎてからすぐには運転手たちが車に戻ろうとしなかった。それから5分ほど待たされ、運転手たちがそれぞれの車に戻りエンジンを掛け始め、トンネルの入り口にある信号がようやく青に変わり行列がゆっくりと動き出した。
 釜トンネルはごつごつの岩肌に、そのままコンクリートを塗った剥きだし状態で電気も点いていない。(ネットで検索すると、現在は整備された新釜トンネルがつくられ電気も点くようになり、片側交互通行はしなくていいようだ)目の前のバスからはけたたましい轟音のようなエンジン音が響き、黒い排気ガスが夏樹のバイクのライトに映し出されている。大量の排気ガスのおかげで視界も呼吸も困難で、バスからは大きく車間をあけて走った。よほどの急勾配なのだろう、バイクのギアーはセカンドより上げることができず、スピードメーターは時速5kmを越えることはなかった。


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2011.11.28 / Top↑

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