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 小樽から洞爺湖へ行くには、少し東の札幌方面へ行き県道、いや北海道だから道道だ、それを南下して国道230号線を南西へ向かう方法と、国道5号線を戻って倶知安から国道276号線へ向かう道のりがある。後者の国道5号線を戻ると言うのは、気ままな旅としては面白みが無い。できれば通ったことない道を走りたい、となると道道から行くとにした。
 道道に入るとすぐに山あいの道となり、10キロほどで峠を一つ越えた。そこからは緩やかではあるが山間道路が続く。夏樹の思い描いてきた北海道らしい道ではない、山が両側に迫った道だった。
 国道230号線に入りすぐに定山渓の温泉街を抜けていく。アイヌの人たちに古くから知られている温泉で、今では二十数件の宿があり、札幌の奥座敷と言われているところだ。温泉街を過ぎても登り勾配が続き、トンネルを一つ越えるとカーブが多く急勾配が続く峠道となった。峠からはこれから向かう洞爺湖が望めた。天気が良すぎるのか、少し靄がかかり遠景はかすんでいた。

               中山峠から洞爺湖

 峠を越えると左右の山が少しづつ遠のき、視界が広がってきた。やがて視界の先にはひときわ高く、富士山のような山が見えてきた。火山の噴火によってできた羊蹄山だ。別名蝦夷富士と言われている。標高は1.893メートルで、頂にはまだ雪が残っている。
 国道276号線を跨ぎ、さらに南西に進むと、羊蹄山は右手の方角にそびえる。大きく視界が広がり、羊蹄山の麓に広々とした大規模農園が続いていた。すると突然、留寿都スキー場の看板が見えた。スキー場を中心にホテル、ペンションなどが広々とした高原地帯に点在し、遊園地もあるリゾート地だ。現在では北海道で最大規模の通年型リゾートで、ゴルフ場やプールもあるようだ。
 ここの地名の留寿都(ルスツ)もアイヌ語が語源で『道が山の麓にある』と言う意味だと書いてあった。ルスツという語感が、一度聞くと忘れられない。


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2012.12.01 / Top↑
 留寿都のリゾート地を過ぎると穀倉地帯が広がる。まもなく洞爺湖と書かれた看板が見えた。キャンプ場へ行く前に夕食の食材を仕入れにスーパーに寄った。食材といっても何ひとつとして料理ができるわけもなく、できることは飯を炊くことと、湯を沸かすことぐらいである。飯に関してはいまだに美味く炊けたことがなく、とりあえず食べられるだけといった具合だ。
 洞爺湖の湖畔には四ヶ所のキャンプ場がある。西側から湖畔を周回する道路をゆっくりと走り、なんとなく雰囲気がよさそうな仲洞爺キャンプ場にテントを張ることにした。湖の浜からすぐの林間にテントを張ることができた。このキャンプ場には四,五十の貸しテントが張ってあるが、人影が見えない。
 あまり暗くなる前に薪になりそうな小枝を少し集め、まずは飯炊きをした。蒸らしているあいだに、カップ麺のための湯を沸かした。そのころには陽も沈み辺りは夜の時間に入っていた。集めた小枝で焚き火をし、少々粗末な夕食を食べた。今日の飯も美味く炊けず、柔らかく少し粥に近いものになった。

                 洞爺湖キャンプ場

 
 夏樹がテントを張る近くから子供の笑い声が小さく聞こえた。先ほどまでは気がつかなかったが、近くの貸しテントに家族ずれがいたようだ。目を凝らしてよく見ると子供たちの髪は金色で肌が白い、外国人の家族だ。旅の楽しみは人との出会いとはいえ、言葉が通じるかどうか、もちろん夏樹は英語が苦手である。それに、暗くなってから、何の用もなくいきなり『ハロー』じゃ怪しまれるだろうし、この場は特に行動を起こすことは控えた。
 空は完全に暗くなり、星も月も出ていない。夏樹と外国人の家族以外には誰もテントを張っていないようだ。二ヶ所以外からランプなどの明かりは確認できない。決して美味くはなかったが、とりあえず空腹は満たされ、一本目のビールが空になりほど良い酔いが廻ってきた。時おり小さく聞こえてくる外国人の子供たちの笑い声以外には無音状態だったが、突然『ドーン、ドンドーン』と少し多きな音が聞こえてきた。湖の対岸で打ち上げ花火が上がった、三,四発の花火が上がりしばらくの時が過ぎてから『ドーン、ドンドーン』と暗闇に轟いた。光と音の時差が面白い。
 対岸の花火を肴に二本目のビールを飲んだ。飲み終わるころには、長い時間の暗闇が続いた。花火大会は終わったようだから、寝ることにしよう。




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2012.12.06 / Top↑
 北海道へ上陸して五日目の朝は、空一面がどんよりと曇り、昨夜に打ち上げ花火が上がった対岸の空は、夏樹のテントの上空よりもさらに黒い雲が広がっていた。その黒い雲が少しずつこちらへ向かっているようだ。雨粒が落ちてくるのは時間の問題だろう。お湯を沸かし紅茶を入れ、アンパンを食べ、早めにテントを片付け荷物をまとめることにした。
 雨合羽をすぐに取り出せるようにバッグの一番上に入れ直し、慌ただしく荷物を積み込んだ。キャンプ場を出発したのは七時半ごろだった。
「さて、走りだしたものの、今日はどこへ行こうか、まだ決めてへんかったなあ」
 昨日見た地図の中に、洞爺湖より少し東に支笏湖という文字があった気がした。とりあえず今の場所より東の方へ行き、支笏湖を目指すことにした。そのうち支笏湖への案内看板が見えてくるだろう。少しでも雨から遠ざかり、雨合羽を着る時間を少なくしたかった。
 とても安易な考えで走りだしたが、湖の東側を南下してすぐに雨が降り出した。大きな木の下にバイクを停め、雨合羽を取り出し、すばやく着込んだ。ブーツのレインカバーと手袋のレインカバーも着けた。そこから直ぐのところに東へ進む道の分岐が現れた。さらにその先に右へ登別、左へ支笏湖の案内看板が見えた。
 空き家の屋根のあるところに停まり、地図を出して確認をすることにした。この道をさらに進むと美笛峠、その先に支笏湖がある。このまま道なりに真っ直ぐ進むことにした。
 雨足は強くないが上空の雲の様子を見る限り、いつまでも降り続き、上がりそうにはなかった。小粒の雨がヘルメットのシールドに纏わり付き、まるで霧の中を走っているように視界がとても悪く、あまりスピードを出すことはできなかった。



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2012.12.12 / Top↑
 支笏湖からゆっくりと北東方面へ走り、二時間ほどで国道276号線にたどり着いた。雨足は降り始めのころから変わることなく、小粒の雨が降り続いている。
 美笛峠を越えたころからは霧も出て来た。今まで以上に前が見えなくなり、スピードを抑えて走るしかない。
 三叉路にぶつかり、右へ国道を進むと千歳や苫小牧へ行くようだ。大きな木陰でバイクを停め地図を確認すると、左へ行けば支笏湖畔の北側を通り、札幌方面への近道のようだ。そっちの道を進むことにした。札幌方面へ向かうことにしたのは、特別な理由があったわけではない。ただの思いつきだった。しかしその思いつきが大変な思いをすることになった。
 三叉路から左へ入って数キロ走ったところからはダートになった。轍はないが大粒の砂利が多く、気を抜くとハンドルを取られて転倒してしまいそうだ。さらに、あちらこちらに窪みがあり、時には大きく深そうな窪みもあった。その窪みには今までに降った雨水が溜まり、それを避けながらの運転は、いっそう速度を上げることができなかった。地図を見たときには支笏湖畔を道路が走っているように見えたのだが、道路の両側は原生林に囲まれ、また霧が少しづつ深くなり湖は見えなかった。
 雨の強さは変わらないが、霧がますます濃くなり、10メートル先も見えなくなってしまた。こんな思いをしてまで先に進む意味があるのだろうからと、自問自答してはみたものの、ここまで来てしまったからには前に進むしかない。後戻りはしたくなかった。
 後方から一台の車が近づいてくるのをバックミラーで確認できた。さすがに車もあまりスピードを上げて走ることはできないようで、ゆっくりと近づいてきた。それに合わせるように夏樹のバイクは左寄りに走り、その横を夏樹のバイクよりも少し早い速度で通り過ぎていった。雨水が溜まった窪みに車のタイヤが入るたびに大きく水しぶきを上げた。その窪みのどこへ入った時なのかは分からないが、雨水と一緒に小石が飛び跳ねたようで、夏樹のヘルメットのシールドにあたった。小石とはいえども、勢いよく飛んで打つかり大きな衝撃を受け、ほんの一瞬ではあるが頭がふらっとよろめいた。


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2012.12.18 / Top↑
 オコタンまでくるとようやく舗装路になったが、相変わらず小粒の雨が降り続き、ヘルメットのシールドにまとわり着いてきた。
 オコタン分岐の少し手前にオコタンペ湖の展望台があった。周囲五キロメートルほどの小さい湖だけれど、エメラルドグリーンの湖面が美しいとガイドブックには書いてあるが、霧で何も見えない、残念だ。
 オコタン分岐を過ぎたあたりでバイクを停め、地図とガイドブックを開き、今日の予定を考えた。札幌はもう目の前である。札幌は北海道一の都市、時計台ぐらいしか印象にない。それよりも大自然を目の当たりに見たい。札幌は最短コースで通過して、どこかへ行くことにした。
 札幌の直ぐ東に岩見沢市の文字が見えた、SLが好きな夏樹には岩見沢の響きがとても印象に残っている。北日本最大の操車場があり、SLのビデオにはよく登場する場所だ。その石見沢の先に日本一長い直線道路があると書いてある。北海道らしいではないか。そこへ向かうことにした。その先の留萌市に増毛という珍名駅がある。切符を買いに行こう。でもこの雨降りの空模様である、そこまでたどり着くまでに気力が萎えてしまうかもしれない。その時はユースホステルガイドブックを開き、近くのユースホステルを探すことにしよう。それこそが気ままに気の向くままの旅の醍醐味ではないか、決して急ぐ旅ではないのだから。
 再びバイクを走らせ四十分ほどで札幌市内に入った。斜線の幅が本州の都市のそれよりも広いような気がする。市内にはどこにも寄らず、江別、岩見沢への案内看板を頼りに進んだ。そのころには雨が上がっていたが、またいつ降ってくるか分からないような、どんよりとした空が札幌の街を覆っていた。

 国道12号線美唄市に入った。道路脇に日本一長い直線道路の看板を見つけた。確かに前方を見るとカーブは見えない。しかし、交通量が多く建物も密集しているためだろうか、二十七キロメートルにも及ぶ直線が続いていると言う実感はなかった。センターラインや左側の白線を注意深く見ながら走っていて「曲がってはいなかったなあ」と確認できた。少し期待はずれの日本一だった。


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2012.12.23 / Top↑

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