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 標津まで戻ってくるとまた曇天となり、バイクに乗ってきる風が冷たい。羅臼までの道のりもずっと曇天でとても寒かった。
羅臼からは知床横断道路を走る。少し標高が高くなると雲が晴れ、快晴の空を見ることができた。低い場所に漂っていた雲を抜け、その雲の上を走っているようだ。少しは暖かくなった。

           オホーツク海
         
                         知床峠

 羅臼と斜里の中間の知床峠までは、急カーブ急坂の連続で、さらに今日が日曜日だということを後から気が付いたのだが、観光客と思われる人たちの多くの車が行き交っていた。
 知床峠の駐車場にも多くの車が止まり、観光客が大勢いた。駐車場には野球帽を被った小学生らしい団体がいて、ゆっくりとバイクを走らせて停めるところ探していると、その子供達がピースサインを送ってくれた。バイクを停めヘルメットを取ると数人の子供たちが近づいてきた。
「おにいさん、どこから来たんですか」
「このバイク、京都ナンバーじゃないかぁ」
「京都から、来たの・・・」
「うん、そうやで」
「すごいなあ、京都って遠いよなあ」
「そうやなあ、遠いなあ」
 その時少し離れたところから、子供達を呼び戻す大人の声が聞こえてきた。
「じゃあ、気をつけてねえ」
 一人の男の子が言った。そして、みんなは大人のほうへ走って行った。
『日曜日に遠足なんやろか・・・、それとも、何の集まりなんやろ』
 峠から望むオホーツク海は、一面の雲海になっていた。知床半島の山や、遠く国後の山がその雲海から頂を覗かせ、雲海の上に浮いているように見えた。
 知床峠から斜里町のウトロまでも急カーブ、急坂だった。下りの急カーブはエンジンブレーキを効かせ、スピードを抑えて走らないと、後ろに重い荷物を載せているからバランスを崩して転倒しやすくなる。何年前だったか、鈴鹿峠の下りで転倒してしまったことを思い出した。

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2013.10.08 / Top↑
 知床横断道路を下りきりウトロから右へ、知床五湖に向かう。名のとおり一湖から五湖まで、五つの沼が点在している。現在は駐車場も有料化され、生態系保護などの理由から湖周辺への遊歩道立入使用料が必要になったようだ。春から夏のヒグマの活動期も入域制限などがあるらしい。
 ところどこに青空が見えているが、陽はなかなか差してこない。湖には霧が流れ込み神秘的な風景が広がっていた。  
                     知床五湖

 一湖を望む展望台には土産屋があり、コケモモや山ブドウを使ったジャムやワイン、ジュースなどが売られていた。珍しいものばかりだが、ここで食品を土産に買っても、いつ家に帰るかわからない。見るだけで何も買わなかった。
 さらに半島の先端を目指して走り始めたが、すぐに未舗装の道路になった。未舗装道路でも幅が広く、轍が少ないためか車はそれなりのスピードで走っている。ロードタイプのバイクではあまりスピードを出すと、スリップして転倒してしまいそうだ。
 カムイワッの滝まで来た。川を渡る橋のその先はバイクも入れない道路になっていたが、道路脇に二台のバイクが止まっていた。運転者はどこへ行ったのだろうか。
 滝がどこにあるのかも分からず、小休止して戻ることにした。後で分かったことなのだが、この場所を流れていた川には温泉が流れていて、上流へ登って行くと滝壷がちょうどよい湯加減の浴槽になっているところがあったのだ。そこへは後日、ユースホステルで知り合った人と行くことになる。その川が海に流れ込むところも『カムイワッカの滝』というのだが、陸からは近づけず、遊覧船に乗り、海から見ることができるのだそうだ。
「さっきここへ来る前に、岩尾別ユースホステルがあったなあ。今日はそこに泊まろうか、ちょっと早いけど、寒いし・・・」
 電話もかけず、直接宿泊を申し込むことにした。満室で泊まれないことなどないと確信していたが、ユースホステル前に多くのバイクが止まっていた。
「まさか、満室・・・」
 少し不安な気持ちを抱えて玄関に入った。


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2013.10.17 / Top↑
「こんにちはぁ」
「はい、お帰りなさい」
「あっ、ただいま。今日、泊まれますか・・・。予約してないんですけど」
「一人かな、大丈夫ですよ、夕飯も間に合いますから」
「前にバイクがいっぱい停まってたから、満室かと思いましたよ」
「まだ、大丈夫ですよ。会員さんですよねえ」
「はい、久々に大勢の泊まりの人たちで。人気のユースホステルなんですね」
「知床半島への起点のユースホステルですから、夏の間は毎日こんな感じかなあ。八月になればもっと多く来ますよ」
 宿泊者カードを書き、会員証を渡しシーツをもらって部屋に向かった。
「お風呂、もうはいれますよ、どうぞ」
「おぅきにぃ。外は寒かったです。」
 部屋に荷物を置き風呂へ直行した。風呂から上がり部屋に戻ると相部屋の宿泊者二人が着替えていた。
「こんにちは。今日からここに泊まられるんですか」
「こんにちは、さっき着いたところです」
「もしかして、スズキの京ナンバーの人ですね」
「何で分かったんですか・・・」
「関西弁だし、昨日までには見かけなかったバイクが一台ありましたからねえ」
「えっ、ほな連泊したはるんですか」
「今日で四泊目かな・・・」
「二人ともですか」
「いや、僕は五泊目だな」
 今まで話さなかった方の男が始めて口を開いた。
「そんなに」
「ここを起点にあっちこっちに行くのです。今日は田中さんの誘いで知床岬を目指したのですが、簡単な装備では岬まで辿りつかなかったです」
「もしかしてカムイワッカの滝の橋のところにあったバイクって、自分ら二人のやったんですか」
「自分?俺達二人?」
 田中は夏樹を指差し、そして二人を順に指差した。
「あそこから山道を歩いて向かったけれど、一人じゃ何か心細いと思って、森田さんを誘ってね。でも途中からは道がなくなり、海辺の断崖の岩場を行くしかなくて、あきらめました」
 田中が着替えながら言った。
「へえ、すごいなあ」
「まあ、時間はたっぷりあるし、せっかくここまで来たのだし」
 年齢は夏樹ぐらいだろうか、二人とも無精髭を少し伸ばし、髪も伸びていた。そして、二人とも仕事を辞めてバイクでここへやって来たのだと言う。田中は今年の五月までは沖縄に居た。住み込みで民宿のアルバイトをしていて、春になりゆっくりと北上してきたのだそうだ。


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2013.10.24 / Top↑

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