上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
 昼寝岩でどれほどの時間を過ごしただろうか、頭の中が空っぽになってしまうほどにリラックスできた。このままずっとここに居座ってしまいたい衝動に駆られたが、現実に戻しユースホステルへ帰ることにした。
 岩尾別ユースホステル三泊目、この日もほぼ満室のようだ。ミーティングのあとで近くにいた三人のグループ達は、長靴を履いて羅臼湖に行きヒグマに遭遇したと言っていた。目の前に現れたのならば命の危険が迫ることもあろうが、広い草原で遠方にいるヒグマに遭遇できるのは少しラッキーなことのようだ。見たくても、簡単に会うことはできないとペアレントさんは言っていた。
「もしヒグマに遭遇したら死んだふりはしにように、すぐに逃げるのもだめ、じっと何もしないでヒグマを見てください。人間よりヒグマのほうが人間を怖がっているのですから。しばらく見ていると何もされることはなさそうだと知り、ヒグマのほうから逃げていきます。慌てて逃げたり、何かを持ち上げたり、大きな声を出したりするとヒグマは人間が襲ってくると勘違いして、身を守るために人間に向かってくるのですから」
 一泊目のミーティングでそんな話しをペアレントさんから聞いた。ヒグマも生きるために必死なのだろうなあ。

「ヒゲさんは明日、どこへ行くの」
 森が話しかけてきた。
「そうやなあ、摩周湖方面へ行って見ようかなあ」
「私もね、そっち方面に行こうと思っていたの。あの辺りは林道が多くてね、ガンガン攻めて、それから阿寒湖から少し西へ行ったところにオンネトーて言う湖があって、その湖畔にあるキャンプ場がなかなかいいらしいのよ、そこにテントを張ろうと思ってんの。近くに温泉もあるしね」
「ほな俺もそこへ行ってみようかなあ、三日も続けてユースホステルに泊まったから、少しキャンプをして経費を節約せんとあかんしなあ。けど林道を攻めるのは俺のバイクでは無理やから、キャンプ場で落ち合うということで」
「いいわよ、じゃあそう言うことで・・・」
 オンネトーの位置を地図で確認して部屋に戻った。




・拙い文章を読んでいただき、ありがとうございます

    にほんブログ村 旅行ブログ 国内一人旅へ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
           にほんブログ村
・応援いただき、ありがとうございます。

          下記URLにて、鉄道模型ブログも公開を始めました。l
          そちらへもお立ち寄り下さい
             ⇒翼芭里鉄道建設記録
スポンサーサイト
2014.02.02 / Top↑
 北海道上陸十三日目の朝は晴れていた。三連泊もしてしまった岩尾別ユースホステルを出発することになった。ペアレントさんたちと記念撮影をし、摩周湖へ向かった。

               岩尾別ユースホステル

 国道334号線を斜里町まで走り、そこから道道を南西へ走る。帯広周辺から釧路、標津辺りの道路は、『これぞ北海道・・・』といったどこまでも真っ直ぐな道が多かった。それはそれで感動を覚えたが、バイクで走るには少し疲れる。感動をするけれど、変化がないことに飽きが訪れることも事実だった。それに比べ斜里からの道道は適度にカーブとアップダウンが続き、バイクで走ると言う行動には適度の刺激があり快適だった。
 緑という町を過ぎた辺りから未舗装のダートになった。ダートと言っても道幅は広く、平らに踏み固められているので、夏樹の乗るロードバイクでも何の問題もなく走ることができた。
 ダートを10キロメートルほど走っただろうか清里峠に着いた。ここから右折して裏摩周展望台までは2キロメートルほどだ。この道は幅も狭く、砂利が深く敷き詰められていて、夏樹のバイクではすぐにハンドルが取られてしまい、走行困難な道だった。やっとの思いで裏摩周展望台に辿り着けた。
 展望台には夏樹以外の観光客はいなかった。摩周湖の全景を独り占めして見ることができた。展望台にある売店のおじさんが、暇を持て余していたのか夏樹に近づいてきた。

                摩周湖

「あれぇ、京都から来たのかい」
「はい。ええ天気ですねえ」
「あんたは運がいいよ、ほんの30分ほど前までは霧がかかっていて、何も見えなかったんだから」
「そうなんですか。やっぱり誰かの歌のとおり、霧の摩周湖なんですか」
「そうさ、霧の日が多いなあ」
 真っ白の髪を綺麗に整え、笑顔で話しをしてくれた。売店では何も買わなかったけれど、ここまで来たのなら屈斜路湖を美幌峠から見ると絶景だからと、道順を教えてくれた。
「気をつけてな」
「おぉきにぃ、ありがとうございました」
 砂利が深く敷き詰められた道を、慎重にゆっくりと清里峠まで走った。


・拙い文章を読んでいただき、ありがとうございます。

    にほんブログ村 旅行ブログ 国内一人旅へ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
           にほんブログ村
・応援いただき、ありがとうございます。

          下記URLにて、鉄道模型ブログも公開を始めました。l
          そちらへもお立ち寄り下さい
             ⇒翼芭里鉄道建設記録
2014.02.11 / Top↑
 緑という町から国道391号線へ、南へ走り峠を一つ越えると川湯温泉に出る。屈斜路湖の湖畔の温泉地だ。ここから湖畔道路を抜けて美幌峠に向かう。裏摩周湖の売店のおじさん教えてくれた道順で来たが、ここまで来たころに空模様は曇りに変わってきた。絶景も天気が良くなければ、感動は半減してしまう。湖の南端辺りから国道243号線を北上し、熊笹が茂る坂道を登ると美幌峠まではまもなくだ。

屈斜路湖屈斜路湖2

 眼下に湖が広がり、中島も目の前に見えた。やはりここまで来ても天気は回復しなかった。展望台の観光センターにはなぜか木刀が土産として売っていた.そういえば観光地の土産物店には、必ず木刀が売ってあることに気がついた。当時は全国の土産の店で売っていたようにも思う。
 空模様がますます悪い方へ向かっているようだ。早々に来た道を戻り、阿寒湖からオンネトーのキャンプ場へ向かうことにした。雨が本格的に降ってくるようであれば、近くのユースホステルへ電話をして宿泊の確認をしなければならない。
 岩尾別のユースホステルに三連泊もしたのだから、今日は必ずキャンプをしようと意気込んで出かけたが、雨では何かと面倒だ。などといつもながら貧弱な夏樹である。
 阿寒湖といえば『マリモ』が有名だ。と言うよりそれしか知らない。湖畔には観光ホテルや旅館、土産物店などが立ち並んでいた。観光船乗り場にバイクを停め、阿寒湖を望んでいると聞き覚えのある声が聞こえて来た。
「ここで、なにやっているの」
 今朝まで一緒だった森がヘルメットを抱えて夏樹の後ろに立っていた。
「何って、湖を見ていたんや。ダートを満喫してきましたか」
「もう最高、楽しかったよ」
「なんか、雨が降ってきそうやなあ。オンネトーでキャンプするのかぁ」
「雨が降ったって、キャンプはできるよ。ちょっと面倒だけどね。とりあえずすぐそこにスーパーマーケットがあったからさ、食材を買いに行かない」
 バイクに戻り森が見つけたと言うスーパーマーケットへ向かった。
 レトルトのカレーと、レタスが安かったのでこれをひと玉、明日の朝食用のパンに、缶ビールを二本買った。店から出ようとすると雨が降っていた。仕方なく店の軒先でしばらく雨宿りをすることにした。



・拙い文章を読んでいただき、ありがとうございます。

    にほんブログ村 旅行ブログ 国内一人旅へ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
           にほんブログ村
・応援いただき、ありがとうございます。

          下記URLにて、鉄道模型ブログも公開を始めました。l
          そちらへもお立ち寄り下さい
             ⇒翼芭里鉄道建設記録
2014.02.16 / Top↑
「やっぱり、降ってきたなぁ」
「わたしの予想だと、間もなく上がるよ」
 そんな会話をしながら、小雨になるまでヘルメットと買出しの袋を持ち、店の軒に立っていた。
 30分ほどで小雨になりバイクに乗り、森の案内でオンネトーのキャンプ場へ向かった。
 オンネトーのキャンプ場には、所沢ナンバーのバイクが1台、すでにテントを張っていた。森と夏樹もその近くにテントを張り、早めの夕食の準備をした。久々にコッヘルで飯を炊き、湯を沸かしてレトルトのカレーを温めた。レタスを買った時に携帯用の小さなマヨネーズを見つけた。それをたっぷりとレタスに塗して食べた。次にいつキャンプをするかわからないから、他の二人にもレタスを食べてもらい、この日一晩で完食した。
「この近くに安く入れる露天風呂があるのですが、行きませんか」
「どうしようか、なんか面倒くさいなあ。それに、誰も来いひんとは思うけど、テントを張ったまま出かけるのも・・・」
「わたしは行かない。今日はそんな気分じゃないんだ」
「俺達、留守番してるから、行ってきてください」
「じゃ、お願いします」
 所沢の兄さんはタオルだけを持ち、バイクに乗って温泉に行った。残った二人はキャンプ場の周辺から薪になる木を集めて火を焚き、二本目のビールを開けた。
「明日はどこへ行くの」
「そうやなぁ」
 夏樹はそう言いながら地図を開いた。
「ああ、ここからサロマ湖って近いんや。『船長の家』って言う民宿があるんやて。民宿やから少し高いけど、必ず行った方がいいって言う人がいるから、行ってみようかな。あんたは」
「この周辺に林道がたくさんあるから、そこを思いっきり攻めて、それから・・・、それからは、それから考える」
 辺りが真っ暗になるころ、所沢ナンバーの兄さんが温泉から戻ってきた。それからは三人で情報交換しながら夜更けまで話した

 翌朝、雲っていたが雨は降っていないし、寒くもなかった。サロマ湖まではさほど距離がない、ゆっくりと談笑をしながら朝食を食べた鳥の声しか聞こえてこない。大自然の中で食べる朝飯は最高の贅沢ではないか。

           オンネトー


・拙い文章を読んでいただき、ありがとうございます。

    にほんブログ村 旅行ブログ 国内一人旅へ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
           にほんブログ村
・応援いただき、ありがとうございます。

          下記URLにて、鉄道模型ブログも公開を始めました。l
          そちらへもお立ち寄り下さい
             ⇒翼芭里鉄道建設記録
2014.02.23 / Top↑

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。