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 北海道に上陸してちょうど二十日目の朝は曇っていた。雨は降っていないが、昨日のようにいつ降ってくるかわからない空模様だった。天気が悪いとバイクに乗って走る気分が少し落ちる。窓の外のどんよりとした空を見て再び布団にもぐりこんだ。「急ぐ旅でもないし」とのんびりと朝を過ごしてみたくなった。
 目を覚ました時にはもう七時半になっていた。朝食の時間が終わってしまう、慌てて起き上がると同部屋の人たちは誰もいなかった。荷物もない、もう出発してしまたっのだろうか。顔だけを洗い食堂へ行ってみると、バイクの大学生だけが食事をしていた。
「おはようございます。ちょっと寝坊をしてしまったみたいや・・・」
「おはようございます。他の人たちはもう出かけましたよ」
「やっぱり。四人組みの人たちは仕事やし、バイクのお二人は苫小牧まで行ってフェリーやって言うてはったしなあ。あんたは、今日はどうするんですか」
「宗谷岬まで行って、それからは考えていません。夏樹さんは」
「札幌にキャンプ用品店てあるかなあ、ガスコンロのガスがもうないから買えるところに行きたいんやけど」
「ありますよ」
 そう言って住所と簡単な地図を書いてもらった。
「夏樹君、おはよう。今まで寝ていたのかい」
 ペアレントさんが声をかけてきた。
「すみません、天気がよくないんで、ちょっと寝坊をしてしまいました」
「だいじょうぶ、まだ八時になっていないから」
 にこりと微笑んで厨房へ入って行った。早々に朝食を食べ終え、部屋に戻って荷物をまとめた。
 空一面に薄い雲が広がり、雨を降らせるようでもなく、晴れるようでもなく、しばらくは曇り空が続くようである。
「それじゃあ、気をつけて。またどこかで会えるかも、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
 ペアレントさんが見送ってくれた。バイクの大学生は北へ、夏樹は南へバイクを走らせた。
 国道232号線を南下してすぐにベーカリーショップを見つけた。地元の人には申し訳ないが、この地には少し似合わないほどのお洒落な店だった。ある情報によると京都人はパンが好物だと言う、夏樹も甘いチョコやクリームの入ったパンが好物だ。店先にバイクを停め、寄ってみることにした。


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2014.10.04 / Top↑
 店内には焼きあがったばかりのパンが並べられ、よい香りが充満していた。店内をゆっくりと見渡すとレジの近くに「お得品」の文字を見つけた。おそらく昨日の売れ残りなのだろうか四個から五個、袋に詰め、お得品として定価の半額ほどの値段でおいているようだ。夏樹の好みのものが入っている袋を一つ持ち、会計を済ませた。これで今日の昼と明日の朝飯分が間に合う。
 留萌からは国道231号線になる。増毛、雄冬へと日本海沿いはカーブとトンネルの連続で、荒波に削られた奇岩も見ることができ、同じ日本海沿いの越前海岸に似ていた。雄冬峠を越えるとダートの道が続いた。
 浜益の手前に開店前の海産物を売る店があり、その店の裏にトイレを見つけ小休止することに。トイレを済ませ、いっぷくしながら地図を見ていると、海産物店の開店準備が始まった。
「おはようございます。あら、京都からですか」
 夏樹より少し年長の女の人がバイクのナンバーを見て話しかけてきた。
「はい、おはようございます」
「もしかして、日本一周中とかなのかな」
 もう一人の女の人も同い年ぐらいだろうか、それとも姉妹かもしれない。
「日本一周というより、日本中を廻ってます」
「テレビで聞くのと同じような関西弁だね。日本中ってすごいね」
「すごくないですよ、仕事を辞めて好きなことをやってるだけやから」
「いいんじゃい、若いんだから。夏だけど北海道は寒いでしょ、どうぞ」
 そう言って暖かいコーヒーをいただいた。
「今日ね、保健所の検査があるから、まだ何も無いのよ。もし今度寄ってくれたら、美味しいものをご馳走するからね」
「おぉきに、ありがとうございます。あさって小樽からフェリーで帰る人を見送りに言って、それから浜頓別のお祭りに行くんで、また寄りますね」
「待ってます、その時には旅の話しをゆっくりと聞かせてね」
 夏樹は二人の姉さんに見送られて札幌に向った。空は相変わらすどんよりとした雲が被い、今にも雨が降ってきそうだが、札幌でキャンプ用コンロのガスを仕入れて、経費節約のために今夜は支笏湖のキャンプ場に泊まる予定にしている。『なんとか、降らずに、もってくれ・・・』心で祈った。


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2014.10.13 / Top↑
 海産物店を出て厚田村の辺りだっただろうか、トンネル内で少し怖い経験をした。かなり古いトンネルで、カーブになっているのか出口の明かりは見えず、内部に照明が無いからバイクの照らす灯かり以外は真っ暗だった。突然、少し強めの灯かりの中で舗装工事が行われていた。警備の赤く光る棒にしたがって右側へ避けると、ハンドルを取られて転倒しそうになった。バイクの僅かな灯かりでは気がつかなかったが、深砂利の未舗装状態だった。工事を照らす灯かりの方が強く、夏樹のバイクの灯かりが負けてしまい、走行先の道路状況がよく分からず、何回もハンドルを取られて転倒しそうになった。なんとか窮地を抜け出しトンネルを抜けた。冷や汗ものだった。
 厚田村を過ぎ石狩町を過ぎるころからは次第に車の量が増えてきた。まもなく札幌市内のようだ。北海道に渡る前から交通量の多い道路はあまり走っていない日が続いていた。北海道で最大の都市札幌、道も広く久しぶりに見る高いビル、交通量はとても多く、非常に走りにくい。小平ユースホステルで一緒だった大学生に聞いたキャンプ用品の店に向った。
 札幌の中心部の道は、東西に走る道には北3条や南2条、南北の道には西3丁目や東5丁目と言うように南北は大通りを、東西は創成川通りを境に数字が大きくなっていくようだ。(ネットによる受け売りです)
 大学生に聞いていた『北12条西3丁目』を目指して走った。各交差点には東西南北の通り名が書かれた標識があり、比較的簡単に目的の店に辿り着けた。
 キャンプ用コンロのガスと、テントの支柱を一本無くしてしまったので、その代用になる支柱を一本、大きな荷物をすっぽりと覆うってくれる、山用リュックの防水カバーを買った。これで雨が降っても荷物を気にしなくてすむ。このカバーのことも何処かのユースホステルに泊まった時に仕入れた情報である。
 買い物が済めば札幌には用がない。相変わらず今にも雨が降りそうな空模様だが、今日は何が何でもキャンプをするぞと、一応は強い意志を持って支笏湖畔のキャンプ場へ向った。およそ50キロメートル、一時間ほどで着けるだろう。


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2014.10.18 / Top↑

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