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 石田は小さい頃から映画の撮影現場を目の前で見てきて、その世界への思いをなんとなく抱いていた。しかし、ちょうど小学校の高学年の頃からだろうか、映画産業が斜陽してきていた。そして会社としての縮小を余儀なくされたのか、敷地の転売により団地や、学校になっていった。ついには倒産してしまった会社もあった。テレビの普及が大きな原因だったようだ。
 石田の家の裏の撮影用のセットもなくなり、中学のころに十階建てのマンションが二棟建った。おかげで日当たりが悪くなったと、石田の母親がよくぼやいていたようだ。

「相変わらず毎日のようにテレビでやってる映画は見てるけど、映画監督への思いは少しづつ薄れてきたなあ」
「俺もテレビでやってる映画は時々見てるけど、創ろうと思ったことはないなあ」
 夏樹も映画を見るのは好きだが、映画館に行って見ることは少なかった。
「俺はアメリカのドイツ軍相手の戦争映画をよく見たなあ。戦争映画やのに出てくるアメリカ軍の兵士に笑顔が多いやろ、あれが不思議でもあり、それがアメリカなんや見たいに勝手に納得してたなあ」
「大脱走なんか最高やったなあ、実話やて聞いて俺も驚いたわ」

 日本の軍隊のことを映画やテレビドラマで見ると、とにかく怖いとか、恐ろしいとか、時には怒りを感じる時がある。上官が常に絶対的存在で、白いものを黒いと言っても部下は逆らうことが出来ず、少しのミスや、規律の乱れがあると鉄拳が飛んでくる。時には軍人用の分厚いブーツのそこで殴られることもあったと、軍隊経験の有る国語の先生に聞かされたこともあった。うまくは語れないが、日本の戦前の軍国主義的な思想は理解できない。

「日本軍の上官が『天皇のために、国のために命を捧げろ』なんて言う台詞がよくあるやろ、そう言うのを聴くと『そういうお前が先に捧げろ。率先して身を奉じて後に続く者への手本として』って言いたくなるねん」
「あの頃はやっぱり国中がおかしくなってたのかもしれへんなあ」
「国のためにみんなが命を捧げて、誰もいなくなったら国として成り立たへんのになあ。全員が命を絶つまで戦い続けるみたいなことも言うもんなあ」
 飛沢も話の加わってきた。



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2009.01.12 / Top↑
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