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まいどぉ おぉきにぃ、  「小説のような、旅のはじまり 六章−14」






「ロケをするのに、近くの神社、寺、ビル、商店街なんかをうまく利用して、設定通りの場所や、建物にしてしまうことがある。江戸の郊外の川の設定なんやけど、京都の川を使って見たり、九州にある駅の風景を京都郊外の駅の駅名を変えて撮ったりすることがあるんや」
「そんなん近所の人が見たら、すぐにばれてしまうやんか」
 飛沢が言った。

「その通り、江戸の町外れの川の設定のはずやのに、中学校の近くの川やったり、東京が舞台の話しやのに、俺んちの近くを走る電車が出てきたりする。ストーリーを楽しみながら、使われている場所や建物、電車なんかが設定の場所とは違うところのが出てくる、それを発見するのが面白いんや」
「石田の家の近くには三つか、四つの撮影所があったさかいなあ、安く仕上げるには、近くでそれらしく見せてロケするんやろなあ」

「夏樹も映画やテレビのドラマを見てて、そういうのなかったか」
「たしか東京の撮影所を舞台にした若手役者の青春物語みたいな話で、けがをした役者が運びこまれた病院が、中学校の近くの病院で、看板の病院名がまったく違う名前で、建物の前を走り過ぎた電車が、間違いなく本物の病院の前を走ってる電車やったのを見たことがあるわ」
「俺も見たのを覚えてるは、病院と電車だけやなくて、他にもいろんなシーンに俺の家の近くでロケをしたんやって言うのがあったなあ」
「石田、今度その映画を教えてくれよ、見てみたいなあ、ほんでどこでどの場所を使ったのか聞かせてぇな」
「飛沢、それは無理や、劇場ではやってへんし、テレビでも先月やったばっかりやから」
「そうかあ、残念」

 ようやくレンタルレコード店が出来はじめた頃である。レンタルビデオ店どころか、家庭用ビデオデッキを持っている人は、まだ珍しい時代である。




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2009.01.19 Mon l 旅(小説のような)六章 l COM(0) TB(0) l top ▲

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