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 飛沢と夏樹は会話も少なく、淡々と食事を済ませた。石田だけは、どことなく落ち着きがなく、食堂のあちらこちらを見ていた。どうしても食後のミーティングが気になるらしい。こんな対人恐怖症のようなことでは映画監督など、夢のまた夢である。

「石田、どうしたんや、さっきからキョロキョロして、不審者見たいやで」
「夏樹、変なこと言うなよ。こんなとこに泊まるのは初めてやさかいに、いろんなことが珍しいねん」
「別にそんな珍しいものは何もないやろ、この椅子かて普通のパイプ椅子やし、この部屋の造りやインテリアも地味な感じやし、何が珍しいんや」
「いやあ、いろんな人がいるんやなと思ってな、いままでに旅行と言えば、修学旅行と去年の夏に民宿に泊まった海水浴ぐらいやからなあ」

 石田は面識のない人と一つの場所に泊まって、これからこの人たちと会話をすることになるかもしれない、と言うことを彼なりに受け入れようとしているようだ。
 初めての人と話しをすることは恥ずかしい、面倒くさい、といった煩わしい思いをどうすれば払拭できるか、周りにいる人たちを観察することで、何かを得ることが出来ないか、石田は自分自身に問いかけていた。

「ほら、あそこのグループ、二十人ぐらいの大学生やと思うんやけど、男の人も女のも人いたはるんやけど、何のグループなんやろなあ。部活の合宿やろか。五,六人なら仲良しグループなんやろうけど」
「あの人たちは二十人のグループやないと思うで。少人数のグループがいくつか集まったんとちゃうかなあ。たまたま同じテーブルに座ったから、誰かがとなりに座った人に『どこから来たんですか』とか聞いたりして会話が始まったんとちゃうかなあ。もしくは、男同士、女同士が同じ部屋でその時に『こんにちは』の一言から会話が始まって、そのまま同じテーブルで食事をしてはるかもしれへんで」
「なるほどな、そんな簡単に知り合えて会話が出来るもんなんや」
「外国人なら言葉も通じひんこともあるけど、同じ日本人やもん、多少の分からん方言の人もいるかもしれへんけど、何も問題なく会話できるし、そういうことを嫌いな人は最初からユースホステルには泊まりに来いひんから」





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2009.01.28 / Top↑
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