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 津和野駅からバスに乗り、十分ほどの停留所で降りた。そこからは歩いて直ぐのところに津和野ユースホステルはある。周りには商店が並び、民家も多く、ちょっと田舎の中心地と言った趣きのところだ。旅行者が頻繁に歩くようなところではなさそうだ。
「ここやなあ、津和野ユースホステルて書いてあるで」
 夏樹が言った。その建物を見て飛沢が「これって普通の家やんか」と言った。確かに一般の民家のようであるが、少々立派な民家である。昔は何かの商いをしていた大店の家か、それとも武家の家だったのか、白い壁が印象的だ。
 普通の玄関を入り、中も普通の民家と殆ど変わりのない造りだった

「なんか、民家としては大きい家やな、中庭があったりするんやけど」
 夏樹が大きな荷物を担いで板張りの廊下を進んだ。
 畳の部屋が廊下の両側にあり、その置くには中庭があった。部屋への入り口は障子一枚だけで、宿泊施設とは思えないぐらいに普通の古い民家である。六畳の部屋の真ん中には電気炬燵が置いてあった。
 
「今日はベッドやのうて畳の上に布団を敷いて寝るんやな」
 石田が少し安堵した様子で言った。
 暦では弥生三月、春だけれど外はまだまだ寒い、早速に炬燵の電気を入れて、三人は潜り込んだ。

 炬燵の赤外線部分に両手をかざしながら、少し猫背になっている夏樹が、部屋の中をゆっくりと見渡しながら話しはじめた。
「ユースホステルに泊まるのはここが十軒目かな、こんなところは初めてやな。なんか親戚の家に遊びに来たみたいやなあ」
「それにしても静かやなあ、他には誰も泊まってへんのかなあ」
 夏樹の真向かい座って、同じような姿勢で少し猫背になっている飛沢が言った。
「ほんまやなあ、静かやなあ、今日は俺たちだけやろか」
 炬燵にあたり、冷えた体が少し温まったのか、眠くなってきたようだ。三人の会話が止まって、静寂な時間がしばらく続いた。

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2009.02.11 / Top↑
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