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 炬燵の温もりがからだ全体に行きわたり、三人が会話をやめて、うとうととしていた。その時突然、目が覚めるような大きな声が聞こえてきた。
「ええ、こんなところに止まんのかいなあ」
「なんぼ安いってゆうたかて、これはひどいなあ」
 初めと、二番目に聞こえてきた声は別人のようである。夏樹たち三人が居る部屋の向かいの障子戸が開き、荷物をどすんと降ろす音が二つ聞こえた。
 向かいの部屋に二人連れの泊まり客が入ったようだ。声を聞く限りでは、夏樹たちとあまり変わらない歳の二人のようだ。それと、二人とも、こてこての関西弁、おそらく大阪の人たちのようだ。

「ああっ、寝そうやったけど、いっぺんに目が覚めてしもうたわ」
 石田が驚いたように言った。
「なんか向かいの部屋にお仲間が来た見たみたいやなあ」
 夏樹も寝ていたようだが、僅かな時間の睡眠中に変な夢を見たようで、少し目をこすってから、首を大きく三回まわしてから天井を見てから、ゆっくりと言った。
「おっ、もうこんな時間や、風呂に入ろうか」

 三人が風呂に行く準備をして部屋を出たところで、向かいの部屋の障子戸が開き、中からくるくるのパーマをかけた大きな男が出てきた。
 先頭にいた石田は、出会い頭だったので、体を仰け反らせるようにして後ろへ半歩下がった。
 急に下がってきた石田に、少しだけ夏樹が怒りの言葉を言った。
「あっ、ごめん、お向かいさんとぶつかりそうになったんや」
「こちらこそすいません、急に出てきてしもうて」
 向かいの部屋のパーマかけた大きな男が頭を下げた。
 それを切っ掛けに、こんな狭い廊下で三人と二人は簡単なあいさつをして、五人ともが同じ年であることが解り、急にしたしくなった。

「俺たち、先に風呂に入ってくるから、その後でゆっくりと話しをしようや」と夏樹が言った。
 パーマをかけた大きな男と、その連れの丸刈りの小柄な男が、右手の親指と人差し指で丸を作り、にっこりと「了解」と言った。



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2009.02.14 / Top↑
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