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 旅先で出会った人との会話の始まりはお国言葉、方言のことが切っ掛けとなることがよくある。人は生まれ育った場所の言葉を脳に沁みこませる。親の話す言葉の単語、イントネーション、その土地独特の言い回しを、自然に覚える。
 今は東京に住んでいても、子供のころに関西に居た人は、どこかに関西弁が残っているようだ。だいたい何歳ぐらいまでの記憶が、その後の言葉の習慣を支配し影響を与えるのだろうか
 関西に二十数年、東北にも二十数年も暮らしていると、関西訛りの東北弁?いや、東北訛りの関西弁?いずれにせよ、変な言葉を操る、変なおじさんとなる。おそらく、関西弁には死んでも支配されるであろう。

「俺がよう喋るって、失礼やないか、こんなおとなしくて、まじめで、背が高くて、少しやけどエエ男を捕まえて、なんちゅうことを言うんですか」
「みなさん、すいませんねえ、こいつは高校でも有名なアホですねん、みんなに早うヨシモトに行けって言われてますねん」
 丸刈りのタク君が言った。
「就職先はそしたらヨシモトなんですか」
 石田が真面目な顔つきで言った。
「なんでやねん」
 くるくるパーマが右手の甲で、石田の胸を軽く叩いた。

「一人でぼけて、一人で突っ込んで、さすがやねえ」
 夏樹が大いに笑い転げながら言った。
「そんなには面白くはないやろ」
 くるくるパーマが真面目な顔をして言った。
「そやかて、おもろいやんか、タク君が言うようにヨシモトに行った方がええと思うわ」
「俺はお笑いの道には進まへん、ちゃんと就職してお金を稼いで、可愛い嫁さんを貰って、ほんで大阪の郊外にマイホームを建てて、子供は三人はほしいな、男の子が生まれたら、近くの公園でキャッチボールをするんや、女子には七五三の時に可愛い着物を着せてあげるんや」
 くるくるパーマ君は今までの冗談を言っている時とは別人のように、真面目な顔をしていた。十八歳の青年が、ささやかだけれど、大きな夢を語った。




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2009.02.20 / Top↑
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