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「なんやその「旅のしおり」って、じぶんたちの旅の計画表を作ったんか、わざわざ、そうやとしたら、べつに金が掛からんように計画を考えたらええのとちゃうの」
 飛沢が不思議そうに聞いた。
「俺たちが作ったんとちゃうがな、殆どは学校のセンコウが勝手に考えて作ったんや」
 くるくるパーマが少し不機嫌そうに言った。
「はあ、どういうことや、先生が考えた旅行の計画をじぶんらが実行してるって、わけわからんなあ」
 飛沢がますます不思議そうな顔つきで言った。
「もしかして、それって修学旅行の「旅のしおり」とちゃいますか」
 石田が静かに、ゆっくりと言った。
「あっそうか、肝心なことを言わんかったなあ、角刈りの兄ちゃんの言うとおりなんや」
 くるくるパーマが自分の部屋から「旅のしおり」を持て来て見せた。薄茶色のわら半紙にガリ版で印刷され、片側を二ヶ所ホチキスで綴じた手作りの「旅のしおり」である。
 ようやくことの真相が三人に伝わったようだ。いや、まだ不可解である、泊まるところは違っていても、高校を卒業した二人が、なぜ修学旅行の「旅のしおり」を持って、それに書いてある予定表の通りに旅をしているのか解らない。その「旅のしおり」をよく見ると「大阪市立○○中学校」と書いてある。

「じぶんら、何で中学校の時の「旅のしおりを持って旅をしてるんや」
 夏樹が言った。
 二人は少し背を丸めるような姿勢になり、俯きながらタク君が話し始めた。
「実はなあ、俺たちは幼稚園からの腐れ縁の関係なんやけどな、中学生のときに学校が荒れててなあ、市内でもちょっとは名の知れた悪いやつらが多い学校やったんや」
 そこまで話したところで、くるくるパーマがタク君を制するように割って入ってきた。
「タク、そんな話までせんでええやんか」
 一呼吸してからくるくるパーマが話を続けた。
「実は修学旅行に行く直前に、三年生の一部が大勢で大喧嘩をしたんや、何やくだらん勢力争いみたいなことが発端やったらしいは、それで怪我人が出て、学校中が大騒ぎになって、怪我をした先生もいたんやけど、警察沙汰にはならんかった。けど先生たちはこんな連中を修学旅行に連れて行く訳にはいかない、ということで中止になった。親からはほとんどの生徒は関係ないから、関わった生徒だけを行かせないで、修学旅行は予定通り行かせてほしいと反論したんやけど、先生たちが生徒をまとめる自信がないとか、旅行先で同じような問題が起きない保障はないとか泣き言みたいなことばっかり言うて、結局、中止になった」




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2009.02.25 / Top↑
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