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「美子はこの津和野に来ることを一番楽しみにしていた。幕末から明治にかけての歴史が好きで、その幕末の舞台となった長州、津和野のことを調べるときは、すごく張り切っていたんや」
 信也がまじめな顔で言った。
「委員会に行くようになったころは、美子のことが鬱陶しいかった。いろいろとうるさかったしな、そやから始めは、いやいややっていたなあ。それに今までは年号を覚えることが出来なくて、歴史なんか嫌いやった」
「何でそんな昔の、終わったことを覚えんなあかんのんやあ、って言うてたなあ」
 タクが言った。
「けど、美子のおかげで少しは勉強したし、幕末のことも興味を持てるようになった。今の俺の愛読書は「坂本龍馬」や、感動ばっかりしてるわ」
「へえ、そんなに面白いか」
 飛沢が信也に聞いた。
「是非、読んでみて、あの人はすごいわ」

「修学旅行の中止が決まった時は、あいつ、泣いていたんや、俺らもなんかもらい泣きしそうになったなあ」
「タクは泣きそうになったんと違うて、ほんまに泣いとったやないか、目を真っ赤にして、それを見つけた不良どもに、卒業するまでからかわれていたもんなあ」

 そんな美子を連れて、信也とタクは担任の先生のところへ、なぜ修学旅行が中止になったのか、なんとして行けるようにならないか、談判に行った。しかし、担任の先生では埒があかず、校長先生のところへも行った。三人は粘り強く話しをしたのだけれど、聞き入れられず中止は撤回されなかった。
「行けんようになってしもうたから、美子と約束したんや、この「旅のしおり」を大事にとっといて、いつかみんなで行こうなって」
 信也が少し目を赤くして言った。


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2009.03.04 / Top↑
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