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 楽しい時というものは過ぎてしまうのが早いもの。五人は流れる時間を忘れ、話し込んでいたが、誰ともなく現在時間に気がついた。もう、二十三時を過ぎている、確か消灯時間は十時だったかな、ユースホステルの夜は早い。しかし、今夜の宿泊者はここにいる五人だけ、ミーティングもなく、夕食後はここの部屋で話し込んでいた。誰からも文句を言われず、遅くなってしまった。
 飛沢が大きなあくびをした。それに釣られるように、夏樹もあくびをした。
「きょうも朝からずっと電車に乗ってたから、疲れたかなあ」
 夏樹がもう一度あくびをしながら言った。

「そろそろ寝ましょうか」
 信也も目をこすり、両手を大きく上に伸ばした。
彼とタクは今日から旅が始まった。新幹線で大阪を出て中学の時の「旅のしおり」を元に萩市内の観光をして、津和野に泊まった。「旅のしおり」には萩市内のホテルに泊まることになっていたようだが、ホテルに泊まるには予算がなく、ユースホステルが泊まるには安くて良いと、担任の先生に聞いてきたのだが、萩のユースホステルには昨日、電話予約をしたようだが、すでに予約が一杯で泊まれなかったのだ。仕方なく二日目の予定の津和野まで足を伸ばし、津和野のユースホステルに泊まることになった。初めてのユースホステルが少々期待はずれの建物だったけれど、夏樹たちに巡り合えて、とても有意義な一夜を過ごす事ができた。

「いやあ、あんたらと逢えてほんまに良かったは、楽しい時間を過ごす事が出来たし、おぉきに、ありがとうございました」
 信也が正座に座りなおして深く頭を下げた。タクも少し送れて正座して頭を下げた。すると夏樹たち三人もほぼ同時に正座に座り直して「いえいえこちらこそ、おぉきに、楽しかったは」と言った。
 少しの間だけ静寂な時が流れたあと、五人は満面の笑みを浮かべて、大きな声を出して笑った。
「おやすみ」
「おやすみ、明日な」



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2009.03.13 / Top↑
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