上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑






 翌朝、天気は快晴だったが三月にしては寒かった。ユースホステルの中庭にはうっすらと雪が積もっていた。
 一日中電車に乗って、少しだけ夜更かしをしたためなのか、七時を過ぎても誰も起きなかった。ペアレントさんも起こしには来なかった。
「おい、もう七時を過ぎてるで、起きなあかんやろ」
 石田が自分の腕時計を見て、大きな声を出した。夏樹と飛沢もその声で慌てて起きたが、眠気が残っていて動きが遅い。

 簡単に蒲団をたたみ、三人が部屋を出たところに、向かいの部屋の障子戸が開き、信也とタクが出てきた。
「おはよう」
「おはようさん、自分ら急がんと今日の予定が狂ってくるのとちゃうか」
 夏樹が信也たちに言った。信也たちは津和野から小郡へ、新幹線で広島まで行く予定になっている。急がないと津和野の駅へ行くバスに乗り遅れてしまうかも知れない。
 夏樹たちは津和野の街を観光して、萩まで向かう。
 五人で早々に朝食を済ませ、荷物をまとめて一緒にユースホステルを出た。
「行ってきます」
 ペアレントさんに挨拶をした。
 ユースホステルを出て直ぐに目の前をバスが通り過ぎて行った。
「今のバスって駅に行くバスとちゃうか」
 夏樹が言った。バスの行き先名には「津和野駅」と書いてあった。
「走って行ったら間に合うのとちゃうか、俺達は乗らへんけど信也君とタク君はあれに乗って行かなあかんのやろ」
 夏樹が二人を見ると呆然としてバスを見ていた。
「おい、どないしたんや、はよ、走って行ったら間にあうで」
 それでも二人は走り去って行くバスを見つめていたが、信也とタクはほぼ同時に顔を見合わせて言った。
「見たか、一番後ろの席」
「見た、間違いないやろ」
「なあ、走ろ」
「ほな、さいなら」
 二人は夏樹たちに一瞬だけ向き直り、荷物を担いでバスに向かって走って行った。
「じゃあな、またどこかで」
「間に合うかな」
「あれ、後ろの席に誰かが乗ってたんやろか、もしかして・・・」
 





  ランキングに参加しています
  下をポチッとクリックしてください。ご協力お願いします。
       ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
スポンサーサイト
2009.03.16 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/132-61762b51

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。