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「ひとつ聞いてもいいですか」
 石田が言った。
「大学の三年生やのうて、三回生なんですか」
「三年生には違いないんだけれど、一浪して一年留年したから、本当は去年の春に卒業しているはずなんだよね。だから同級生のほとんどは二歳年下なんだよ、それで三回生ってこと」
「へえ、そんな風に言うんですか」
 石田が大きく頷いた。
「留年って落第ってことですよね、成績が悪かったんですか、大学生でも頭が悪い人もいるんですね」
 飛沢がかなり失礼なことを言った。
「いやあ、まいったなあ、一応さあ、おれ、国立大なんだよね」
 ボサボサ頭の大学生が苦笑いをして言った。
「あっ、すんません、ついつい思ったことを正直に言ってしまいました。とても素直な良い子でして。やっぱり親の育て方が良かったのかなあ」
 飛沢がおどけた顔つきで、天井を見上げながら言った。
「あほかおまえ、自分で自分のことを素直な良い子って言わへんやろ。良い子っておまえ中学校の時にちょっとだけタバコ吸うてたやないか、何も良い子やないやんけ」
「おいおい、いまそんな話をせんでもええやんか」
「まあまあこんなとこで喧嘩せんと、昔から言うやろ『喧嘩はおやめ、鼻くそおとり』って」
 石田が飛沢と夏樹の間に割って入り、メロディを付けて歌った。
「いやいや面白い」
 ボサボサ頭の大学生がまた、大きな声を出して笑った。
 そしてまたまた夏樹たち三人が顔を見合わせて不思議そうな顔をした。
「そんなに面白いか、俺たちって」
 飛沢が小さな声で言った。


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2009.04.01 / Top↑
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