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 ボサボサ頭をかき上げる度に、白いものがポロポロと落ちることなどまったく気にせずに、何回も右手でかき上げ、俯いたまま顔を少し赤くして話し始めた。
「いやあ、その通り。まず高校三年生の夏休みに北海道に行って、牧場で住み込みのアルバイトをしていて、夏休みに中に仕上げなければならない課題をまったくやらなかった。揚句の果てに夏休みが終わっても学校に行かずに、九月の中ごろまで北海道にいたんだよ」
「なんでですかあ、高三の大事な時期に何をやってたんですか」
 飛沢が噛み付くように言った。自分も大学を目指して、夏休みに入る前から受験のこと意外はすべて断ち切り、頑張ったことを思い出していたのだ。
「そんなに怒らないでくれよ、帰りたくても帰れなかったんだよ、バイト先の親父さんが怪我をしてね、秋までにやらなければならない作業が残っていてさ、それが終わるまで手伝っていたんだよ」

「似たような話しをどこかで聞いたような、聞かなかったような」
 夏樹が天井を見上げて呟いた。高校の時の田代先生だ、と一人で納得して頷いた。

「親父さんは牧場のことは大丈夫だから、学校が始まるから早く帰った方が良いて言ってくれたけど、親父さんが怪我をしたのは俺にも責任があるのだから、どうしても手伝わせてほしいって言って、残ったんだよ」
「牧場の親父さんは元気になったんですか」
 夏樹が言った。
「ああ、俺が埼玉の家に帰る頃にはだいぶ良くなって、作業もめどがついたから家に帰ったんだ。そしたら、父親に思いっきり怒られるかと思って覚悟をしていたんだけれど。大学は来年だって受けられる、まあ慌てるなってさ」
「・・・・・」
 夏樹たち三人は顔をみあい、言葉が出なかった。

少し沈黙の時間が流れてから石田がその沈黙を破った。
「それで受験勉強に向かったのが他の人たちよりもだいぶ遅れて、希望の大学へ行けなかったんですね」
「先生には絶対に無理だから他の大学に行けと言われた。必死に頑張ったのだけれど、やっぱり挽回できなかった。希望校に行けないのだったら、もう一年がんばろうと思って一浪したんだよ」



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2009.04.06 / Top↑
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