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 浜田駅から歩いて十分ほどのところに浜田ユースホステルはある。一般の民家をユースホステルとして契約している。玄関を入り「こんにちは」と声をかけても反応がない。電気も点いていないし、物音ひとつしない、どうしたのだろうか。
「誰かいませんか」
 夏樹が大きな声を出した。
 ようやく奥からペアレントさんと思われる女性が出てきた。
「お帰りなさい、夏樹さんたちだね、電気を点けんといかんね」
 大きな荷物をひとまず降ろし、宿泊の手続きをした。今日のとまりは彼ら三人だけだと聞かされた。だから、初めて会ったのに夏樹の名前を知っていたのだ。
「夕食は六時からでいいかな、三人だからミーティングもやらないから、ゆっくりとして下さい。食堂のテレビを独占してもいいよ」

「夕食後に風呂に入って、その後で外出してもいいですか、近くに親戚が住んでいるんです、久々に逢いに行きたいのですが」
 石田が丁寧な口調でペアレントさんに言った。
「あっそうなの、どうぞ、十時までには帰ってきてね」
 食後、風呂に入り、石田の親戚の家に遊びに行った。石田の従兄弟だという人は、石田より七歳年上の二人の子持ちの兄さんだ。

「ヨシ、久しぶりじゃのう、大きゅうなっていくつになった」
 石田の下の名前は義行。だから「ヨシ」と呼ばれているようだ。
「トシ兄もすっかりおっさんになって、もう十年ぶりかなあ」
 石田の母方の従兄弟で佐藤俊和というそうだ。
「そうじゃのう、もう十年になるかのう」
 うまくは書けないが、言葉の最後に「のう」という語を強調する喋り方が印象的だった。
「三人は同じ高校の友達かあ、こんな何にも無い田舎に何しに来たんじゃ」
「中学の時の友達で、高校は別なんですよ。西日本をぐるっと一周しようと思いまして。そしたらこの浜田に石田の親戚の兄さんが居るから、是非よりたいと言うもんですから」
 夏樹が言った。
「ほう、そうか、うれしいのう、まあ何も無いけどゆっくりしていって、のう。今日はどこに泊まっとるんじゃ」
「駅からすぐのユースホステルです」
「なにユースホステルか、あそこじゃあんまりうまいもんは食わせんじゃろ、のう」
「はあ、まあ」
 飛沢が小さな声で言った。



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2009.04.22 / Top↑
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