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「ヨシ、来る前に電話寄こせば、わしが美味いもんを食わせる所に泊めてやったのに、のう。ここは海の傍じゃもの刺身をたらふく食わせてやったのに」
 石田はこの旅行の計画が決まり、出かける三日前にトシ兄さんのことを思い出したのだということを話した。
「すでに泊まるところは予約済みで、変更なんかんかできひんと思ってたし、前もって連絡すれば迷惑をかけるから、昨日になってから電話したんや」
「何を遠慮してんのじゃ、わしら従兄弟やないか、めったに会えんのやし、それにお前の母さんにはいろいろと世話になったからな、今からでも遅うはない、ユースホステルの予約を断ってこいや、近くの民宿に泊まったらええは、のう」
「いやあ、飯も食ったし、風呂も入ったし、残念やけど今日は」
「そうか、そしたら明日は刺身の旨い民宿をとってやるから、そこに泊まればええが」
「明日は出雲まで行く予定で、ユースホステルも予約済みでして」
 夏樹が申し訳なさそうに言った。
「という事で、トシ兄ちゃん、今度また来るさかいにその時はお願いします」
「そうかあ、残念やのう、そしたら今日は呑もうや旨い酒があるんや、な」
「トシ兄ちゃん、俺たちはまだ高校を卒業したばっかりや、酒はあかんやろ」
「あっそうか、酒もあかんか、ほな、コーヒーかあ紅茶か、それともコーラか、何でも好きなもん言いや、無かったら買うてくるから、のう」

 トシ兄は酒を、夏樹たち三人はコーラを飲み、眼の前にはほんの一、二時間では絶対に食べきれないほどのお菓子や煮物、魚の天ぷらに刺身などがテーブル一面に並び、とにかく食べろと進めてくれるのだが、三人は少しだけのお菓子にだけ手をつけた、ユースホステルで夕飯を食べてきたからだ。
「おいしそうやなあ、けど今さらこんな「ごっつぉう」が目の前にあっても、入って行かへんなあ」
 飛沢が夏樹の顔を覗き込み、小さな声で言った。
「そやなあ」





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2009.04.25 / Top↑
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