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 気動車(電車のように機関車はないが、電気ではなくディーゼルで動く列車)の五両編成ぐらいだっただろうか八割ぐらいの混みぐあいだった。一駅一駅止まるごとに降りる人はいても乗ってくる人はほとんど無く、列車の乗客は減って行くばかりだった。
 十月も近い秋の夕暮れは早く訪れてくる。この列車の終着近くになると、とっぷりと日が暮れて、あたりはだいぶ暗くなった。車窓からは遠くに点在する民家の明かりがぽつぽつと見えるぐらいで、他には何も見えなくなり、車内の乗客もかなりまばらになってきた。少し心細くなって来たけれど、そこは中学生としてはヤセガマン。

 五時半ごろにこの列車の終着駅に着いた。列車は海の見える駅までの三分の一ほどのところの駅までしか行かない。とりあえず先へ進めばそのうち目的地に着くだろう、何とかなるだろうと言う気持ちだけが先行して、 
「今日中に向うに着けばエエニャから」

 小さな駅舎に駅長さんが一人だけで、他には誰も居ない小さな駅。下車した人はほとんど駅から出て行った。ホームには十人も入れば一杯になるような待合室があり、一本だけの暗い蛍光灯が点いていた。駅前にはまばらに家があるだけで、駅前商店街と言った賑やかなものは何も無かった。駅舎の反対側には山がせまり、かすかに月の出ていない暗い空と山の境が確認できた。とにかく真っ暗だ。

 駅舎に向かった最後の一人が改札口から出て行くと、切符を集めていた駅長がゆっくりと僕の方に寄ってきた。
「乗継ですか」
「はい」
「次は六時三十分まで来ないですよ。京都駅からきます」
 と言うことは慌てて乗らなくても、次の列車に乗ればよかったのだ。こんな真っ暗な田舎の駅で一時間も待たなくてはいけないのか。

『ブアーーーンー』

 乗ってきた気動車が京都駅めざして発車していった。ますます静かになった。

  つづく




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2008.05.21 / Top↑
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