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「おっ、鳥居が目の前にあるけどこれって出雲大社のかなあ、随分と大きいけど」
 飛沢が鳥居を見上げて言った。
「たぶん、そやろ。けど、ここからもう少しあるで、拝殿までは」
 夏樹が言った。
「よし、もうすこしやな、頑張って行こうや」
 念願の出雲大社が目の前に近づき、飛沢は心が躍る思いでいた。

                            出雲大社

 
 三人は拝殿の前に進み、神妙な面持ちで両手を合わせ、大きく頭を下げていた。中でも飛沢は他の二人よりも長い時間をかけて頭を下げていた。
「飛沢、ちゃんとお願いをしたか」
「夏樹、当たり前やんか、岩淵みたいな可愛い彼女が現れて、俺の彼女になってくれますようにって、お願いをしましたよ」
「あのなあ、岩淵みたいなは余計やろ」
「おう、そうやったな、すまんな。ところで、あの人たちは何をしてるんや」
 飛沢が拝殿の正面にある大きな注連縄の下にいる数人の人たちを見て言った。その注連縄に向けて何かを投げているのである。
「あれってお金とちゃうか」
 よく見ると注連縄の一番端の、藁が束ねられた断面に向けて、硬貨を投げつけているようだ。色からすると五円か十円玉のようである。
「みんな、なんか楽しそうやなあ、手を叩いて喜んでる人もいるでぇ」
「なんかのお呪いやろか」
 飛沢と夏樹は顔を見合わせたり、硬貨を投げる人の様子を見たりしていた。

 この日に泊まったユースホステルのペアレトンさんに教えられたのだが、注連縄の断面に五円玉を投げて、うまくそこに刺さると、恋が叶うと言うのだ。手を叩いて喜んでいたのは、うまく刺さった人だったのだろう。
 ではなぜ五円玉なのか「ご縁がありますように」の語呂合わせだそうだ。
 因みに御賽銭に十五円を入れると「充分にご縁がありますように」二十五円は「重々、ご縁がありますように」百二十五円は「十二分にご縁がありますように」だそうだ。
 語呂合わせもここまでくると、逆にご利益が薄くなりそうな気もするが。

 この話しを聞いた飛沢は次の日も出雲大社へ詣でたのは言うまでもない。そして、御賽銭は百二十五円を入れて、もう一度おおきく頭を下げ、五円玉が注連縄に刺さるまで投げ続けたのだ。



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2009.05.27 / Top↑
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