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「飛沢、出雲大社で真剣に一生懸命な顔つきで拝んでたけど、そんなに彼女がほしいのんかあ」
 夏樹が重い荷物を担いでいるために、少し前かがみの姿勢で言った。
「またその話かいなあ、前にも早よう彼女を作りたいって言うたやんか」
 出雲大社へ向かう時よりは、確実に元気のない歩き方になっている。話し方にも覇気があまりない。十八歳と言う若き者ではあるが、さすがに六日目ともなると疲れも出てくるようである。
「焦ったかて彼女なんか、早々できるもんやないやろ、それに誰でもええわけやないやろ」
「そんなもん当たり前ないか、好きな子がいて、その子と付き合うことができるように、いろいろと努力をするんやないか、男として」
「そこやねん」
「どこやねん」
「好きな子はいるんか」
「いいひん」
「ほな、彼女ができますようにって、神さんにお願いしたかて、あかんやんか」
 飛沢はますます元気がなくなり、夏樹が言ったことに何も言って返さなかった。
「まずは好きな子があらわれることを、願わんとあかんやんか」
「そうなんやけどな、今まではその機会があまりにも少なかった、男子校やったさかいなあ」
「と言うことはやな、女の子と知り合う機会を増やすことや、今日からは泊まったユースホステルでは、積極的に女の子に声をかけて、きっかけを作ろうやないか」
「ユースホステルだけやのうて、観光地でもええのとちゃうか」
 石田が突然、会話に参加してきた。
「お前も大胆やなあ、それってナンパとちゃうんかい」
 夏樹が驚きの表情で言った。
「何ぼなんでも、旅先でナンパはできひんやろ」
「旅先やなかったらナンパすんのんか、したことあんのか」
 夏樹が微笑んで言った。
「いいや、ない、ナンパなんか恥ずかしいて、ようせんは」
「俺もしたことないし、そんなもんできひんは」
「なんや、二人とも意外と根性なしやなあ」
 石田が言った。
「偉そうに言いやがって、お前はできんのかいな」
 飛沢が半分は真面目になって怒っているようだ。
「俺かてしたことないし、そんなもん、ようせんは」
「なんや、ほな偉そうなことを言うなよ」
「すんまんせん」
 三人は重い荷物を肩に担ぎ、少し前かがみの姿勢で笑った。




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2009.06.26 / Top↑
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