上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
 食後にミーティングの案内はなかった。宿泊者も少なく、ほとんどの人たちが部屋から出てはこないから、誰とも知り合うこともできなかった。唯一、同部屋の二人組みの大学生と、お互いの自己紹介をしただけで、それ以上の会話は進まなかった。
「おい、夏樹、今日はなんかつまらんなあ」
 飛沢の声に元気がない。
「泊まっている人も少ないし、とても静かな夜になってしもうたなあ。石田は飯を食ったらさっさと寝てしまいよったし」
「今日は可愛い女の子が、泊まっているかどうかも分からんしなあ」
「まあ、こんな日もあるっちゅことや、今日は石田に習ってもう寝よか」
 飛沢と夏樹は不完全燃焼のような形で、話をした。気の抜けた二人の会話は、たわいなく、どちらも話しをしない時間が多かった。そんな時飛沢が大きく口を開けて、あくびをした。
「まだ早いけど寝よか」
 夏樹が言った。
「そやな、今日は何のきっかけもなさそうやし、ちょっと歩き疲れたし寝よか」
 飛沢はそう言ってまた、大きなあくびをした。

 同部屋の二人の大学生も夏樹たちが部屋に戻った時には、布団をかけて寝ていた。静かに部屋の電気を消し、布団を被ったものの直ぐには寝付けず、しばらくして部屋の暗さに目が慣れてきた。なかなか睡魔は近寄ってこなかった。
「飛沢、寝たか」
 夏樹の上のベッドに寝ている飛沢に小さく声をかけたが、飛沢からはなんの返答もなかった。
 いつもより早い時間に寝床に入ったからか、いつまでも寝られなかった。するとどこからか「スー、スー」と大きな寝息が聞こえてきた。その寝息とハーモニーをとるように「グアー、グアー」と鼾が聞こえてきた。「スー、スー」の寝息は「グアー、グアー」に負けてはなるまいと「ズー、ズー」と音量が上がりはじめた。すると、「グアー、クアー、クッ」と鼾は止まった、と思ったら「ガッガガ、スー」別の音色の鼾が聞こえはじめた。大合唱がはじまってしまい、ますます寝られなくなってしまった。



・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
・応援いただき、ありがとうございます。

スポンサーサイト
2009.07.08 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/173-85d31a59

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。