上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
「じゃあ、お元気で。またどこかで逢えるといいね」
「はい、出雲に行ったら割り子そばを、忘れずに食べて下さいね」
「そうですね、必ず食べますよ」
 同部屋の大学生の二人は西へ、夏樹たち三人は東へ向かう。お互いの旅の安全を祈り別れた。

「今回は泊まっている人も少なくて、出会いは生まれへんかったなあ。ところで夏樹、今日はどこまで行くんや」
 飛沢が鼾がうるさく眠れなかったと言うわりには、元気である。
「鳥取砂丘に行って、少し戻った倉吉のユースホステルに泊まる」
「何で戻るんや」
 石田は昨夜の鼾のことは何も知らないらしく、朝まで熟睡できたようだ。
「鳥取にはユースホステルがないから、少し戻った倉吉駅に近いところにユースホステルがあるんや、駅に近いほうがええやろ。それに今日のユースホステルは温泉らしいで、お寺やけどな」
「お寺のユースホステルか、おもしろそうやなあ」
 石田も納得したようだ。
 出発して今日で七日目、快晴ではないが、太陽は出ている。本当に今回の旅は天気には恵まれた。大きな荷物を持って、傘を差さなければならなくなると、とても煩わしく、面倒である。
 松江から鳥取までは三時間半ほどで着く。駅からバスに乗り二十分ほどで砂丘の入り口へ、そこから観光リフトに乗って行く。東西十六キロメートルもある日本最大の砂丘だ。
「月の砂漠を、はるばると・・・。て言う歌はここの砂丘がモデルって聞いたことがあるなあ」
「石田、ほんまか」
 飛沢が言った。
「聞いたような気がするだけや、確信はないんやけど」

砂丘

「わあ広いなあ、見渡す限り砂の大地やな。あそこにラクダがいるで」
 夏樹がカメラを持って、なぜか走り出した。その後を石田と夏樹はゆっくりと歩いて行った。ラクダを目の前で見るのは動物園以来である。それもただ繋がれているだけで、料金を払えば乗せてくれるのだ。
「この白い布でできた帽子見たいのを被って、ラクダに乗ればアラビアのロレンス見たいやなあ」
 石田が久々に、活き活きと話し出したが、他の二人には興味のない話題なので、「へえ、そうなや」とそっけない返事しかかえってこなかった。


・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
・応援いただき、ありがとうございます。

スポンサーサイト
2009.07.13 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/175-90a27927

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。