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 階段を下まで降りるとスノコの廊下が本堂の下を潜り抜けるように続いていた。
「ほんまにこの先に風呂があるんかあ」
「飛沢、まあええやんか、とりあえず行ってみよ」
 夏樹も半信半疑である。
「温泉のにおいがしてきたで」
 なぜか石田が積極的である。
 広くはないけれど確かに温泉らしい風呂があった。ホテルや旅館のように立派ではないが、萎びた温泉宿の雰囲気が漂う浴室だ。
「何でこんなとこに風呂があるんや、お寺の本堂の下を潜ってきたもんなあ」
 正直なところ、この程度の記憶しかない。お寺の本堂の下を潜って行ったことだけは覚えている。

「飛沢、残念やなあ、今日も宿泊者が少ないし、ミーティングは無さそうやし、かわいい女子も泊まってへんみたいやなあ」
「まあ、しゃあないは、これも運命として受け止めるしかないわいなあ」
「なんやねん、それ。誰かのものまねか」
「高校の卒業記念の旅も今日の宿泊を持ちまして、終了。明日の夜は我が家で過ごすことと相成りまして、わたくし飛沢は少々寂しいです。今回の旅を通じていろんな人と出会い、語らい、交流を深められたことは、今後の人生において何らかの役に立つことがあると思います。夏樹君、俺を誘ってくれてありがとう感謝してまっせえ」
 最後は少しおどけて言った。
「急になんやねん、感謝されんでええて、俺もおまえらと来れて楽しかった。石田は楽しかったか」
「もちろん、飛沢と同じように感謝してる。なんちゅうのかな、俺って口下手やから、うまいことよう言わんのやけど、少しは積極的に知らん人とも係わりあっていけるようになれそうや、夏樹、ほんま、おおきに」
「二人にそんなほんまのこと言われたら、照れるやんけ」
「ほんまのことってなんやねん」
 飛沢が笑いながら夏樹の首を右手で羽交い絞めにして言った。



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2009.07.24 / Top↑
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