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「とにかく昨日の夜は、なんや知らんけどなかなか寝付けへんかったんや、そやから俺以外に四人しかいてないはずの部屋に、四種類以上の鼾の音色が聞こえてきたから、ますます寝られんようになったんや」
 夏樹が昨夜の出来事を石田に話した。同部屋の大学生二人のことも言った。
「あの人たちも大きい鼾をかいてたんや。もちろん自分の鼾は聞いたことないけどな、親父が言うには三人分ぐらいのすごい鼾を掻くらしいんや」
「石田、ほんまか、もしかしたら昨日の大合唱はお前と夏樹だけの二人の合唱やったんとちゃうかあ」
「ちょ、ちょっと待て、石田と俺やのうて飛沢とちゃうかあ、ほとんど睡眠をしていた記憶がないんやけど」
「今朝、最後まで寝てたんわお前、夏樹や。ほんっでもって君の鼾をはっきりと聞いたから、あの大学生を含めて四人でな」
 飛沢が確たる証拠を突きつけるように、しかし穏やかに言った。
「そうか、ショックやなあ、俺がそんなに鼾を掻くんやなんて」

「夏樹って鼻が悪いんとちゃうか」
「うん、小さいころからほとんど蓄膿症状態なんや」
「いっつも鼻声やから、多分悪いんやろなあと思ってたんや。鼻の悪い人は鼾を掻きやすいらしいで」
「石田も鼻が悪いんか」
「いいや、俺の場合は喉が細いらしいは。それが原因で大きな鼾を掻くらしいねん。けど出来るだけ横を向いて寝ていれば、舌根が喉に落ちにくいから、鼾を掻きにくくなるらしいは。昨日は上を向いて寝てたんやろなあ」
「石田の話はいっつも難しいなあ」
 夏樹には良く理解できないようである。
「ほな石田君、今日は上を向いて寝ないでな。夏樹君もね。じゃあお休みなさい」
「そんな話しを聞いたら、今夜も寝付けへんかもしれへんなあ。もっと俺が眠くなるまで話しをしようや」
 この後も三人は、布団に入り、電気を消して取り留めのない話しをしていた。しかし、一番初めに寝てしまい、僅かに鼾を掻き始めたのは夏樹だった。その小さな鼾を聞いて飛沢と石田も会話をやめて寝ることにした。




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2009.07.29 / Top↑
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