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 七泊八日の西本州一周卒業記念旅行も最終日になった。前半は普通列車を乗り継ぎ、山陽道を駆け足で通り抜けた。三日目からは山陰道をのんびりと、日本海を眺めながら最大の目的である出雲大社へ、可愛い彼女が出来ることを願い参詣した。鳥取砂丘ではラクダにも面会した。
 何よりも多くの旅人たちと情報交換をして、様々な土地の文化や言葉、時にはその地方特有の食べ物を知り、小さな国だけだけれど、決して狭い国ではないなと感じることが出来た。意味ある八日間だった。
 夏樹たち三人の中では、旅に出た回数は夏樹が一番多いが、西日本からは未だに脱していない。小さい国だけれど、端から端までを巡り廻るには長い時間と、多くの経費が必要になる。少しずつでも全国制覇を達成することを、この時心の片隅に誓った夏樹だった。

「おはよう、今日もええ天気やで」
「飛沢はいっつも元気ややなあ」
 夏樹がそう言って両手を斜め上に伸ばし、大きな欠伸をした。
「まずは朝飯を食いに行こうぜ、腹が減っては戦ができひんからなあ」
「飛沢、どこへ戦に行くんや」
 石田はすでに布団をたたみ、荷物をまとめて出発の準備は完了している。
 朝食を食べに食堂に行ってはじめて分かったのだが、昨日からの宿泊者は三人と四人のグループと、一人旅の少し年配の人と、夏樹たち三人の四つのグループしか居なかった。すべて男である。なぜか昨夜には他の宿泊者を見なった。

「それでは,行ってきます」
 飛沢が大きく頭を下げ、大きな声で言った。
「はい、じゃあ気をつけていってらっしゃい」
 ペアレントさんも大きな声で見送ってくれた。夏樹と石田もその大きな声に続いてペアレントさんに挨拶をして、ユースホステルをあとにした。

 倉吉駅から餘部鉄橋までは二時間ほどで着く。この鉄橋には夏樹は三回目、飛沢も二回目の対面である。全長三百メートルの東洋一と言われているこの鉄橋は何度見てもすばらしい。朱色の鉄骨がとても美しい。この風景を二時ごろまで、ゆっくりと鑑賞することにした。いつ来るか分からない列車を見逃すことなく、目とフィルムに焼き付けていかなければ。


・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

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2009.07.31 / Top↑
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