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 風呂から部屋に戻り、タオルをベッドの手すりに干し、洗い物などをバッグに詰めて談話室へ向かった。
 食事の前と同じように多くのホステラーで賑わっていた。大学のグループは家族で来ている子供たちも仲間に入れて、簡単なゲームをやっている。少人数のグループはトランプゲームや会話を楽しんでいた。その横で少し年配のご夫婦がソファーに腰をかけてそんな様子を眺めていた。
 夏樹はそんな大勢の中から、さっきの大学生風の二人の女性の姿を探した。業とらしくならないように、少し部屋の中を歩きながら見渡した。大きな窓に近づいた時に、その窓から暗くなった外を見ている二人を見つけた。
 せっかく見つけたのに夏樹は直ぐには声をかけられないでいた。窓のそばに置かれたソファーに座り、チャンスを伺っていた、とその時だった。
「一緒にトランプをしませんか」
 大学生風の二人の女性に声をかけた。明らかに夏樹より年下の大学生のような三人の男たちだった。
「先を越されてしもうたかあ」
 ひとり言を小さな声で言った。
 目の前でトランプへの誘いを快く受けた二人の女性たちを見て、夏樹は勇気を振り絞った。
「僕も入れてもうてもかまへんかなあ」
「どうぞ、どうぞ」
「多い方がおもしろいしねえ」
「一人ですか、じゃあ一緒にやりましょうよ」
 女性二人と男三人は快く仲間に入れてくれた。

 やはりこの当時のトランプゲームの定番は大貧民ゲーム (大富豪とも言う?) だった。なぜこのゲームが流行っていたのか、いま思うとルールが比較的簡単で、一回終わるごとに上がった順番に座る場所が変わる。一回終わるたびに隣に座る人が変わると言うことだ。初対面の人たちが集まるユースホステルではコミュニケーションがとり易いということで、定番になったように思う。考えすぎかな。
 最初の一歩が踏み出せれば、あとは関西人独特の周りの人たちを笑わせよう、和ませようと言う無意識の意識が働き、人によっては「でしゃばるな」と言われそうなぐらいに、夏樹は関西弁を丸出しに話しをしていた。


・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

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2009.09.02 / Top↑
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