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「もうこんな時間になっちゃったね。もう寝る時間だよ」
 髪の長い女性が言った。
「まだ、十時じゃないですか、夜はこれからですよ、お姉さま」
 髪を長く伸ばした名古屋の大学生が言った。
「君たちここはユースホステルですよ、夜はこれからなんてことを言っちゃいけません、規則正しい生活を過ごすのがここのルールです」
「せっかく皆さんと打解けて楽しくなってきたと思ったのに、残念です」
 身長が一番高い大学生がしぶしぶトランプを片付けはじめた。短くカットした髪に軽くパーマをかけてメガネをかけた大学生が、そのトランプは俺のものだ、と言わんばかりに無言で取り上げて手早くまとめてケースに入れた。

 大学生の男二人はもう少し話をしようと言ったが、周りの人たちが部屋に向かうのを見てあきらめた。そして、明日は六人で奈良観光に行こうと提案した。全員一致で承諾されたので、笑顔で「じゃ、おやすみなさい」と言って部屋に向かった。
「じゃ、あした、おやすみなさい」
 夏樹も部屋に戻った。

 明朝、秋晴れの快晴となった。透きぬけるような青い空がまぶしかった。
 朝食は他の五人より夏樹が先に食堂へ入った。次に大学生三人がトレーを持って夏樹の座るテーブルに来た。夏樹が食べ終わる頃に女性二人が夏樹たちのいるテーブルに座った。
「おはようございます」
「あっ、おはようございます」
「すっごくいい天気だね、こんな日はなんかいいことがありそうな気がする」
 髪の長い女性が言った。
「いまの言い方って田中さんの真似したの、すっごく似てるんだけど」
 ショートカットの女性が言った。
「田中さんて経理課のあの田中さんのこと、似てるかなあ」
「わたしはそっくりだと思うよ。もしかしてあなたって田中さんのことが、少し噂で聞いたことが・・・」
「ちょっとこんなところで何の話をしてんのよう」
 ショートカットの女性の口を髪の長い女性が右手で抑えるように隠して言った。そして二人が顔を見合わせた後に、大学生三人と夏樹の方を同時に見た。四人が不思議そうな顔をして二人の会話を黙って聞いていた。



・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

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2009.09.11 / Top↑
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