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 短い時間だけれど沈黙が続き、なんとく気まずい雰囲気になっていた。
「学生諸君、何をしんきくさい顔してまんねん。早よう朝飯食って、若草山に行こうよ。天然のチョコボールがあっちこっちに生えてるさかいに。おもろいでえ」
 夏樹がこてこての関西弁でその空気を吹き飛ばした、ように夏樹は思った。
「あのーそれって、若草山にいる鹿の・・・」
 短くカットした髪に軽くパーマをかけてメガネをかけた大学生がそこまで言った時に、夏樹が彼の口を手で覆うった。
「あほやなあ、飯の時間に何を言うとしてるんや」
「・・・」
「変なことを言うてんのはお前やないかって、あっそうか、こりゃまたすんませんなあ」
 あまりに下らないことを言うものだから、大学生も女性もとりあえずその場は笑ってくれた。

 朝食後に荷物をまとめてユースホステルの玄関で記念撮影をした。大学生のカメラと女性のカメラと両方で何カットか撮った。お互いに住所を教えあい、写真を送ってくれることを約束してくれた。

 夏樹は原付のバイク、他の五人はバスで東大寺に向かった。観光案内のガイドブックを持っていた女性たちに先導されて東大寺周辺の観光をした。もちろん若草山のチョコボールも見に行った。
「ええ、これがチョコボールの正体なんだ、すっごうい」
 女性二人はあちこちに落ちているチョコボールを見て、感動の言葉とともに大笑いしていた。

 昨夜にはじめて知り合った者たちの集まりとは思えないほどに、六人で大いに語り、大いに笑った。短くカットした髪に軽くパーマをかけてメガネをかけた大学生だけは、相変わらす言葉少なかった。

 楽しい時間は過ぎるのが早い。もう昼時となった。
「あれ、もうこんな時間だよ、そろそろ駅に行かないと電車に間に合わないなあ」
 髪を長く伸ばした名古屋の大学生が言った。
「私たちも駅に行かなきゃ、新幹線の時間があるしねえ」
 三人の大学生は大阪に出て神戸まで行くのだと言う。教授の都合で明後日まで講義がないから、神戸の次の日は淡路島から鳴門へ行き渦潮を見に行くのだそうだ。
 女性二人は京都の駅前のお寺に参詣して、遅くの新幹線で東京の方へ帰ると言った。
「あしたからまた、仕事だしね」
 ショートカットの女性が言った。





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2009.09.14 / Top↑
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