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「ほな、写真を楽しみに待ってます。良い旅を続けてください」
 そう言って夏樹はヘルメットを被り、原付バイクのエンジンをスタートさせて、ゆっくりと出発した。
 快晴の秋の空はどこまでも青く、雲は一つも視界にはなく澄んでいる。昨夜からの楽しかった時間の映像が、写真のスライドショーを見るように、夏樹の頭の中をゆっくりと動いていた。とても気持ちが良かった。
 奈良市内で軽く昼食をすませ、きのう来る時に通った道をそのまま逆向きに京都へ向かった。通行車両はきのうよりは少なく、さほど渋滞に巻き込まれることなく快調に原付バイクを走らせて、四時前に寮に辿り着くことが出来た。
「よし、飛沢も誘って大晦日に浜名湖へ行くぞ」


「おうい、元気で生きてたかあ」
 奈良への一人旅を終えてから二週間後の土曜日に、飛沢が夏樹の寮へ遊びに来た。
 飛沢は大学に入学して初めての夏休みに車の免許を取り、中古のスポーツタイプの車に乗っている。夏樹のところへ来る時は、いつも前もって連絡はなく、突然ひょっこりと現れる。現在のように携帯電話などがない時代で、寮の電話に呼び出すのが面倒なのだと言う。もし、夏樹が出かけていたり、都合が悪くても、他の寮生に面識がある飛沢は、適当に話をしているうちに夏樹が現れることもあった。
 相変わらず元気で、面白くて、頼もしいやつでいてくれる。
 高校の卒業式の次の日から出かけた旅で、出雲大社へ参詣した。その時の御利益なのか、今では二つ年下で同じ大学に通う彼女が出来た。夏樹はその彼女にまだ会ったことがない、なぜか夏樹の寮へ彼女を連れて遊びには来ないのだ。
「なんや、今日も一人か、ええかげんに彼女を連れて来いよ」
 夏樹の言葉に飛沢はにこりと笑った。

 飛沢は缶ビールを数本と、するめやピーナッツが小袋に入った酒のつまみを、大きなビニール袋に入れてきた。夏樹と同部屋で同い年の小田君と三人で、日付が変わっても飽きることなく、飲んで話しをした。



・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

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2009.09.18 / Top↑
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