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 夏樹と同い年の埼玉の女性は受付の中から、薄い緑色の冊子を取り出して夏樹に見せた。
「この手作りの歌詞カードからリクエストして、みんなで歌うのよ、夜どうしね、朝までかな」
「あれ、おれもその歌詞カードほしいなあ」
「はい、これが夏樹さんの分だよ」
 埼玉から来た髪の長いほうの女性が持っていた歌詞カードを夏樹に手渡してくれた。良く見ると埼玉の彼女はエプロンをして、胸のところに「たなか」と書いた名札が付いていた。写真を送ってくれた人の差出人は「岡本」だった。
「たなかさんなんですか、岡本さんは」
「彼女も来るよ、まだ来てないけど」
「何でエプロンしてんの」
「年末年始の忙しい時だけヘルパーとして手伝っているの。今もお汁粉の仕込みをしていたの」
「ということは、ここの常連さん、さっきの二人も知ってるんですか」
「ああ、桐山さんと沢村さんね。あの人たちも毎年、ここでだけ会う人たちね」
「あれ、さっきの人は「チガサキ」って言ってた見たいやけど」
「桐山さんは茅ヶ崎から毎年、バイクで来るのよ」
「だから「チガサキ」なんや。なんか、ええねえ。そう言うのって」
「あの人たちとなら直ぐに仲良くなれるわよ」
 夏樹の心はますますウキウキ、ワクワクしてきた。

「ただいまあ」
 夏樹たちの後ろの玄関の方から大きな声が聞こえてきた。女性三人組みだった。
「あら、夏樹さんこんにちわ。奈良ではお世話になりました」
 写真を送ってくれた岡本さんだった。
「どうもどうも、写真を送ってもらって、おぉきにぃ、ありがとう」
「いま、あなたの話をしていたところなのよ、もう直ぐ来ると思うって」
 たなかが笑顔で岡本を迎えた。
「こちらが夏樹さんね、話は聞いています。浜名湖は初めてですか、面白いから思いっきり楽しんでくださいね」
 岡本の隣にいた女性が話しかけてきた。岡本と同じ勤め先の同僚だと言う二人は、奈良でのことを聞かされていて、夏樹に会うのを楽しみにしていたと言うのだが、期待どおりだったのだろうか。彼女たちもここの常連で、大晦日に来て毎年ここで年を越すのだそうだ。


・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

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2009.10.04 / Top↑
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