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 夏樹以外のこの部屋にいる五人は、会話の内容から察するに、毎年の大晦日の夜は浜名湖ユースホステルで年越しをする常連客のようだ。五人のうち三人は夏樹よりも年上のように見える。入り口ドアの近くにいた人は、明らかに夏樹よりも十才は年上に見受けられた。
 そんな五人の会話に圧倒され気おくれしてしまった。シーツを無造作に広げたままのベッドにダウンジャケットを脱ぎ置き、腰を下ろした。
「ここは初めてなんでしょ、こんなゲーム知っています」
 夏樹の向かいの下のベッドにいた男が話しかけてきた。開いているベッドを教えてくれた人で、夏樹と少し年上か同じ年ぐらいにも見える。
 ズボンのポケットからマッチの箱を取り出し、夏樹によく見える位置に左手で持った。
「これがオープン」
 そう言って右手の人差し指で中箱を少し押し出した。
「ん、・・・」
「そしてこれがクローズ」
 今度はマッチ箱を右手に持ち、左手の人差し指で押し出した中箱を元に戻して言った。
「・・・ん、」
「じゃあ、これは」
 マッチ箱を右手に持ったまま、左手の人差し指で中箱を少し押し出した。
「オープン?」
 なんだか良く分からないけど、マッチの箱が開いているので「オープン」と夏樹は言った。
「残念、クローズでした」
 その男は得意気に勝ち誇ったような笑顔をで言った。
「何で?開いてるやんか、そやからオープンやろ」
 夏樹の反応を聞いて益々気を良くしたようだ。もう一度マッチの箱を左手に持ち、先ほどと同じことを説明した。
「じゃあ、これは」
 今度は左手の薬指で中箱が外箱から取れてしまうほどに大きく押し出した。
「そやから、オープンやろ」
「残念、これもクローズでした」
「???」
 夏樹はわけが分からず、とても不愉快なのだけれど、何か他に区別を見分けるものがあるのだと思い、最初から説明するようにその男に言った。



・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

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2009.10.09 / Top↑
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