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 少しずつ明るくなってきた海岸は今までよりも風が強く、さらに冷たく感じてきた。
 ユースホステルのスタッフが買い物籠に湯のみ茶碗を入れて持ってきた。その後ろから一升瓶を持ったスタッフも来た。新年のお神酒を持って来てくれたのだ。何人かの手が湯のみ茶碗を手に取り、お神酒を注いでもらい一気に飲み乾していった。
 夏樹と智史、トオル、ケイコが湯のみ茶碗を手に取り、お神酒を注いでもらった。
「あけまして、おめでとう」
 四人は湯のみ茶碗を目の前に上げ乾杯した。
「だいぶ明るくなってきたけど、まだ陽が登らへんなあ」
「日の出の時間は何時なのかな。それにしても寒いねえ」
 智史が言った。
 水平線近くには低い雲が垂れ込めていたが、それ以外の全ての空には雲はなく、東に近い空の色が少し赤くなってきった。
「さぶ、さぶ、さぶ」
 夏樹は左右の手を胸の前で忙しなくすり合わせ、両足を上下にばたばたと動かした。
「水平線の雲がなければ、もう陽は出てきているのかな」
 田中も夏樹と同じような動きをしながら言った。
「かなり明るくなってきたけれど、まだなんじゃないかなあ」
「トオルさん、日の出の時間をしってはるんですか」
「そんなもん知らんは」
「また、その変な関西弁はやめてえな。おもいっきり変なんでっせ」
「なんか君も変になってきているよ」
 智史が言った。
「ねえねえ、あそこの雲の間から太陽が少し顔を出して来たんじゃなあい」
 岡本が水平線の一番明るくなっている方角を指差して言った。
「おぉぉーーーー」
 海岸のあちらこちらから歓声が上がった。少しずつ雲の間から太陽が昇ってきた。待ちに待った初日の出の登場である。両手を合わせ目を瞑り、拝み始めるものもいた。
 しばらくのあいだ、誰も言葉を発せず、初日の方へ視線を向けていた。

初日の出





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2009.11.18 / Top↑
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