上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
 バスの乗客は金沢駅のバス停から乗り込んだ五人の他には誰も乗っていなかった。金沢駅が始発だったのだろうか。夏樹は一番後ろの真ん中に座った。いくつ目の停留所だっただろうか、二人組みの少し年配の女性が下車し、その次の停留所で赤い顔のおじさんが下車した。いまバスの乗客は夏樹と、夏樹より少し年上かなと思える女の人だけになった。
 予定通りに三十分後には金沢ユースホステルの最寄りの停留所、金沢水族館前に着いた。バスの前の方の座席に座っていた女の人も降りた。一番後ろの席に座っていた夏樹は、女の人より少し遅れて下車した。
 バスが行ってしまうと、ところどころに点いている電柱の街灯だけが頼りとなった。バス停留所付近は暗く、いまバスから降りたはずの女の人の姿はもう見えなくなっていた。
 ユースホステルへ向かうにはどちらへ行けば良いのか、ひとまず辺りを見渡し、暗闇の中にユースホステルへの矢印の看板を見つけ、ゆっくりと歩き始めた。相変わらず、空からはほんの少しだけ雨が落ちてきていた。傘を持っていない夏樹の頭は、冷たい雨によって冷えてきた。
「うううぅ、さぶ。風邪ひくんとちゃうか」

 ガイドブックには徒歩一分と書いてあるが、暗闇の道のりを半信半疑の状態で歩くと、ガイドブック通りにはいかない。バスを降りてから五分後にようやく金沢ユースホステルに到着した。
「お帰りなさい。夏樹君かな」
 おそらくスタッフの人だろう、二十代後半ぐらいの男の人が迎えてくれた。
「はい、ただいま」
「なんだか元気がないねえ」
「外は雨が降ってまして、傘を持っていないもんですから、頭が濡れて、とってもさぶいんですよ」
「それはそれは大変でしたねえ、お風呂へ直行したいところでしょうが、まずは夕食を食べてくださいね、他の人は終わりましたから」
「はい、じゃあ荷物を部屋に置いてきます」
 荷物を持ち小走りに部屋へ向かった。




・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
・応援いただき、ありがとうございます。

スポンサーサイト
2009.12.24 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/243-99a26c8d

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。