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 食堂に行って食事をしているのか、部屋にはすでに誰もいなかった。八人部屋の二段ベッドには三人分の毛布しか準備されていない。
「今日の宿泊者はあまり多くないようやなあ」
 夏樹は空いているベッドに荷物を置き、すぐに食堂へ向かった。
 トレーにご飯と味噌汁、大皿と小鉢のおかずを載せて箸を探した。テーブルの上にまとめて立ててあるのを見つけて、そのテーブルに向かった。そこには先客が一人、座っていた。
「ここに座ってもいいですか」
「どうぞ」
 女の人が一人だけで座り、食べていた。まだ、食べ始めたばかりのようだ。
「あれっ、さっきのバスに乗ってませんでした」
 夏樹が言った。
「はい、いまここに着いて、他の人は夕食を食べ終わるからすぐに食べるようにって。ええ、じゃあ金沢駅からのバスに乗ってたんだすか」
「・・・はい」
 夏樹はあまり聞いたことのないイントネーションの言葉に、少し戸惑っていた。
「僕はバスの一番後ろに乗ってたから、気がつかなかったでしょ」
「金沢駅に着いたのが予定より遅くなってしまって、バスに乗ったら廻りは暗いし、水族館前で降りたら誰もいないし、恐かったんよ」
「そうそう、真っ暗やからバスを降りてから、僕も道に迷いそうになたもんなあ」
「ここに泊まる人が同じバスに乗っていることを分かってたら、一緒にここへこれたのに、本当におっがねかったもの」
「・・・いま、なんて言ったんですか」
「あっ、ごめんなさいね、ついいつもの言葉が出てしまって、恐ろしかったって言ったの」
「あのう、どちらの出身なんですか、僕もいろんなところへ旅に行きましたけど、あまり聞いたことのない喋り方なんやけど」
 夏樹の前に座っている女の人は、箸を置きお茶の入った湯のみを口に近づけて少しだけ飲んだ。





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2009.12.26 / Top↑
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