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 金沢ユースホステルの定員は百二十名だが、この日の宿泊者は十人ほどのようだ。夏樹がコバヤシと食事をしていたときに、なんとなく廻りを見渡してみると、六人の宿泊者しか確認できなかった。正月は北陸への旅人が少ないようだ。
 百二十人の旅人を受け入れられる大きなユースホステルの風呂は、銭湯のように大きな浴槽と、十数人分のシャワーが備え付けてある。そんな大きな浴槽に夏樹は一人だけでゆっくりと浸かった。
「ああぁぁ、ちょうどの湯加減やなあ、他の人はもう入ったんやろなあ。八時からミーティングをやるって言うてはったなあ、あんまりゆっくと入ってられへんなあ」
 夏樹は急いで頭と体を洗い、風呂を出た。

「こんばんは、あけましておめでとうございます」
 受付にいた男のスタッフの人が挨拶をした。
「本日のミーティングを始めます。今日のホステラーはちょうど十人ですので、皆さんとコーヒーなどを飲みながら、語らいたいと思います。それで、普段は禁酒のユースホステルですが、今日は正月です、特別にお一人に一杯だけですが水割りを用意しています。ご希望の方は言って下さい。一杯、二百円です」
「ええ、金を取るんですか、正月なんですからサービスしてくださいよ」
 夏樹と同い年ぐらいの少し太めの男が言った。
「すいません、実はこのウイスキーは私の私物なのです、ご協力ください。その代わりにコーヒーと、少しですがお菓子は無料です。あっちのカウンターの方へ集まってください」
 宿泊者十人のうち女が三人、男は夏樹を含めて七人だ。大学生風の人から明らかに社会人まで、いずれも二十代の人たちだ。スタッフの男の人も二十代後半ぐらいに見える。
 水割りを頼んだのは男四人だけだった。特に理由はなかったが、夏樹はコーヒーをカップに入れてカウンターの端の方に座った。




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2010.01.12 / Top↑
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