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「係長さんは今日も出張で来ているのですか」
 背の低い方のOL嬢が、小さな声で聞いた。
「いやあ、今日はプライベート。でも金沢への出張時はいつもここに泊まっているんだ。だからカウンターの中にいるイマさんとは顔馴染みさ」
 金沢ユースホステルのスタッフで、一般のホテルで言うところの支配人のような立場の今井。通称イマさん。
「係長、また俺の悪口言ってる」
 こちらの会話が少し聞こえたのか、イマさんがニッコリ微笑んで言った。
「別に悪口は言ってないよ、俺がここの常連でイマさんとは顔馴染みだって話していたんだよ」
「係長は月に一度はここへ泊まりに来るねえ」
 イマさんが自分のコーヒーカップを持ってカウンターの中から、夏樹たちがいる椅子席の方へ歩いて来た。
「係長にはねえ、一人も部下がいないんだよ。社長以外はみんな係長なんだって。社長以外に十人の社員がいて、五人が営業で年の順に第一営業係長で、この人は第五営業係長なんだって」
「なぜそんな話しをするんですか、ばらさなくても、いいじゃないですか」
「第五って言うことは、営業マンの中で一番の年下で、つまりは・・・」
 薬屋が笑いをこらえながら、係長を意識して見ないようにして言った。その薬屋の言葉を途中で制して、係長が話しはじめた。
「皆も言わずとも、他の方たちも周知のご様子ですから、この辺でご勘弁くだされ代官様」
 係長は深々と頭を下げた。
「けど面白いねえ、名刺には第五営業係長って書いてあるの?初めて会った人は少しは驚くやろねえ、この若さで第五営業係りの係長なんやから、第何係りまであるんやろなあ、って」
 夏樹も少しおどけて言った。
「ヒゲさんまでそんなことを言って、勘弁してくださいよ」
「じゃあ、他の五人は何係長なのかしら」
 コバヤシが真面目に聞いた。




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2010.01.22 / Top↑
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