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 居心地の良い楽しいときは、時間の過ぎて行くのが早い。もう少しこのままの、ときが続けばよいと思うもの。でもその名残惜しいぐらいが、ちょうど良いのかも知れない。のちの思い出としてよみがえった心に、もう一度あの場所で、あの人たちと過ごしたいなあ、と思う気持ちが強くなるのではないだろうか。


「皆さん、十時半を過ぎました。十一時には消灯をお願いします」
 イマさんが笑顔で皆に聞こえるように、少し大きな声で言った。
「ええ、もうそんな時間なの。今日は人も少ないし、正月だから、もう少し、いいじゃないですか」
 係長がイマさんの背後から両肩を揉み解す仕草をして言った。
「だめですよ、皆さんが消灯するまでは私が寝るわけにはいきません。でも、正月とは言っても、あしたの朝食の準備は、いつもの時間に始まります。その時間に私も起きなければならいのですから、あまり夜更かしはできませんからねえ」
「そう言うこっちゃな、係長はん、寝よ。それがユースホステルなんやから、明日の朝、早うに出かける人もいたはるかも、しれへんしなあ」
 夏樹はコーヒーカップを持って席を立った。
「しゃあないなあ。では皆さん寝ましょうか」
 係長がおどけて言った。
「ちょっと、今のってどこの方言なの」
 薬屋が立ち上がりながら言った。
「係長はんは俺の真似をして、関西弁を喋ったつもりなんやろ。けどなあ、あまりにもお粗末な関西弁やったなあ」
「ばれちゃったら、仕方があるめえ。皆の衆、寝るとしようかあ」
 右手を大きく、ゆっくりと回し、おまけに首も回して歌舞伎の見得を切るような仕草をした。
「いまのも、大変におかしな言葉ですねえ。歌舞伎の真似のつもりでしょうが、完全に酔っ払いのおやじギャグですね。それに面白くないし、へたくそだし」
 そう言いながら青学が、カウンターへ小走りに向かった。
「てめえ、言いたいこと言いやがって。待ちやがれえ」
 係長は青学を追いかけた。





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2010.01.28 / Top↑
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