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「スミちゃん、急に大きな声をだして、どうしたの」
 コバヤシが驚き、箸を大きく振りながら言った。背の低い方のOL嬢はスミちゃんと呼ばれているようだ。
「きのうの夜にコバヤシさんの恋の物語を聞いて感動したんです。だから私も早くコバヤシさんのように、いい人とめぐり遇って、結婚したいです。でも、今の会社には対象になるような人はいないので、どうしようかと思案しています」
「私のことで感動されちゃうと、すごく責任が重くなってしまって、困っちゃうんだけど。感動されるような物語じゃないんだけどなあ」
「いいえ、すごく感動しました。どうすれば出遇うことができるでしょうか。教えてください」
 スミちゃんは目を大きく見開いて熱く語った。
「その出逢いが一番、難しいんじゃない。簡単に出遇えるんだったら、俺もこの歳まで一人でいないよ。コバヤシさん俺にも教えて下さい」
 突然、会話の輪に入って来たのは、ユースホステルのスタッフ、イマさんだった。
「イマさん、この歳までって、おいくつなんですか」
「係長さんに言わなかったっけ、俺って周りからは若く見られているらしいけど、三十二になったんだよ」
「へえぇ」
 ここにいる六人が申し合わせたように、揃って言った。
「一年に何千人もの宿泊者を迎える施設のスタッフなのに、出遇いがないんですか」
「コバヤシさん、ここへ来る人は皆さん、お客さんです、いい人だなあと思うことはあるけれど、恋愛対象にはできません。対象にしちゃあいけないと思うんですよ。だから、何回も来てくれる常連の女の人もいますが、一人の常連さんなんですよ」
 イマさんは少し寂しいそうな顔になった。



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2010.02.05 / Top↑
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