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 再び穴水駅で能登線の蛸島行きの列車に乗り換えるため下車する。。静かな山あいの駅の周りには雪が積り、列車を待つ人たちはまばらだ。そこへ薄汚れた二両編成のディーゼルカーがゆっくりとホームへ入って来た。ディーゼルカー特有の油の臭いがあたり一面に漂ってきた。車内はガランとして乗客は少ない。輪島から夏樹が乗ってきた列車は、金沢へ向けて先に出発していった。それから間もなく、蛸島行きの列車も発車した。

穴水駅

                  穴水駅2


 穴水駅を出るとすぐに港が車窓に広がるが、また山の間に入って行く。目指す甲駅は四つ目の駅、二十分ほどで到着する。この駅に降りたのは夏樹を含めて五人ほどだった。
「おおぅ寒いなあ、何にもないとこやなあ」
 輪島では小雨だったが、ここへ来て雪に換わり、その分気温も下がったようだ。旅も後半となり荷物の重量が一段と苦痛になり、気温の低下も加わり、ユースホステルまでは徒歩二十五分とあるが、歩きたくなかった。
「誰か車に乗せてくれる人は、いてないかなあ」
 非常に弱気で、甘えた考えだが、その前に車が走っていないのだから、そんなにやさしい方が居たとしても、見つけてもらうことはできない。寒さと、バッグの肩紐がくい込む痛みをこらえて、なんとかユースホステルに辿り着いた。その間に夏樹を見て見ぬふりをして通り過ぎて行った車はなかった。

 鉄筋の建物だが定員五十六人と、小さめのユースホステルだ。玄関を入り「ただいま」と少し元気のない声で言ってみたが、誰も出てこなかった。
「すいませえん、誰もいませんかぁ」
 もしかして今日の宿泊者は夏樹だけで、他には誰もいないのだろうか。でもここは人気のユースホステルで、全国でも有数の常連客が多いところだと聞いていたのだけれど。
「すいませえん」
 さきほどよりも大きな声で言ってみた。



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2010.02.22 / Top↑
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