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 翌朝、七時に目が覚めた。窓の外は相変わらずどんよりとした曇り空だった。その鉛色の空からわずかに雪が落ちてきていた。その落ちてくる雪に夏樹は少し感動していた。京都では、ひと冬に数回しか見ることのできない降雪を、目の前に見ることができたからだ。
 朝の七時という時間は、ユースホステルの朝としては決して早いわけではない、しかし同じ部屋のイトウとシンちゃんはまだ起きていない。トイレに行ってみたが他に誰も起きている様子はないようだ。そう言えば昨夜の寝る前に「明日も泊まるんだからあまり早くに起きなくていいよ」と彦さんが言っていたような気がする。テンちゃんの騒ぎで記憶の中には大きく残っていなかったようだ。
 夏樹は連泊をしないけれど、昼食を食べてから出発する約束をした。急ぐことはないからと、もう一度布団にもぐりこんだ。不思議とすぐに眠りに付くことができた。旅の後半になり少し疲れが溜まってきたのだろうか。

 朝寝をしてから次に目が覚めた時は十時を過ぎていた。でもイトウとシンちゃんはまだ起きていなかった。イトウの鼾が夏樹のところまで聞こえた。そんなふたりには構うことなく顔を洗い食堂へ行った。ストーヴの前にはタケさんが足を組みタバコを銜えて座っていた。
「おはようございます」
「おっ、おはようヒゲさん」
「みんな、まだ起きてこないですねえ、ユースホステルでこんなに遅くまで寝てたんは初めてですよ」
「君以外の人たちは、今日も泊まるし、早く起きる必要はないわけだし、彦さんも正月ぐらいはゆっくりしただろうしね」
「みんな、自分の家のようにくつろいでますよねえ、なんか羨ましいなあ」
「ああ、ここには特別なものは何もないけど、海と山があって彦さんがいるから、それだけでいいんだよ。それだけでみんなが帰ってくるんだよ。ヒゲさんもまた帰っておいでよ、みんなが待っているから」
「はい、おぉきにぃ、ありがとうございます」




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2010.03.15 / Top↑
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