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 夏樹はストーヴで暖をとりながら、かつら崎ユースホステルのいろいろなことをタケさんに聞いた。
「夏に来ればねえ、運がいいとヨットにも乗れるよ。ヨットを持っている常連のホステラーがいてね、彼が来る時は自家用のヨットを持って来て、ここの海に浮かべるんだよ、そして臨時のヨット教室が始まるのさ。面白いようだよ、でもかなり難しいみたい、僕は乗ったことがないんだけどね」
 そう言うとタケさんは窓の外の海に視線を向けた
「面白そうですね、旅の途中に一日だけここに泊まっただけでは味わえない楽しみですねえ、そやから連泊する人が多いんですね」
「今日は正月だからみんなは遅くまで寝ているけれど、夏はねえ我先に早く起きてくるんだよ、彦さんの漁船に乗って漁に連れて行ってもらうんだよ、みんなは気持ちが最高にいいらしいんだよ」
「変な話ですけど、船酔いしませんか、俺なんか遊覧船に乗っても船酔いするんですけど」
「はははっ、君もか、僕もさ。初めて彦さんの船に乗せてもらった時は、出発して五分で気持ちが悪くなってさ、すぐに戻ってもらって降ろされたことがあったんだ。だから次がなかなか乗せてもらえなくて、二回目の船は二年後だったよ」
「二回目は船酔せんかったんですか」
「いいや、やっぱり五分後に気持ちが悪くなったけれど、我慢したさ、いま船酔いしたって言えば、二度と乗せてもらうことはできないと思ったからね。きつかったよ二時間近くも気持ちが悪いのを我慢したからねえ」
「ほんなら、戻って来て船から降りたときには、フラフラになってたんとちゃいますのん」
「その通り、船から降りたら真っ直ぐに歩けなくてさ、そうそうイトウちゃんに抱えられてここのトイレに連れて行ってもらったんだよ、そしてすぐにゲーゲーさ、かっこ悪かったなあ」
「と言うことは三回目はなかったんと、ちゃいますか」
「なぜわかったの、その通りさ、二度と彦さんの船には乗せてもらえなくなったね」
 そう言いながらスキー帽を取り、反対の手で頭を掻いた。


・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

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2010.03.17 / Top↑
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