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 タケさんはスキー帽を被り直し、煙草に火を点けた。海の上はだめだから、海の中は大丈夫だろうかと素潜りに挑戦することにしたのだそうだ。ダイバーズショップに行き、水中眼鏡とシュノーケルと足ヒレの素潜り三点セットを買い、かつら崎の海へと潜って行った。
 波打ち際の岩場の海には、海草類のあいだを、数種類の小魚が泳ぎ、少し深いところへ潜っていくと、サザエやあわびが獲れることもあったようだ。
「面白かったよ、とにかく海の水は綺麗で天気の良い時などは、深いところまで太陽の光が届いて、緩やかな波と一緒にその太陽光もゆれて、幻想的な風景が楽しめたよ」
「俺も少しだけやったことがあるけど、二、三メートルも潜ると耳がキーンとくるやないですか、それであんまり深いところへは潜れへんかったなあ」
「そう言う時は耳抜きをするんだよ」
「なんですか、それは」
「耳が痛くなったら鼻を摘まんで、耳から空気を出すんだよ。すると耳の中の気圧が水中と同じになって、耳が痛くなくなる。すると水中の音がすごく良く聞こえるようになるんだ。少し深いところでも岩場を小石が転げる音や、遠くを走る船の船外機の音も聞こえるんだ」
「その耳抜きをやったら、どこまでも深いところへ潜れるんですか」
「息が続くかぎりね」
「そうかあ、ほなそんなに深くは潜れへんはなあ。せいぜい十メートルぐらいかな、十分ぐらいは息を止めていられるさかい」
「ええ、十分も息が止めていられるの」
「いやいや、冗談ですよ、タケさん」
「ヒゲさんって面白い人だねえ」
「いえいえ、この程度のボケは関西ではおもろくないほうですよ。どこまでが冗談で、どこからが、ほんまの話しなんか、分からへん奴がいっぱいいますから」



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2010.03.19 / Top↑
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