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「ユースホステルって言うんですか、こういう形態の宿にとまるのは初めてなんですよ。こういうところは若い人たちが多く来るところだと聞いていたので、はじめはどうしようかと、ためらったのですがね」
 おじいさんは手に持っていたタオルを浴槽の外で軽く絞り、綺麗にたたんで頭に載せた。
「会社を定年で退職して、毎日が暇でねえ、妻は若いころから様々な趣味を楽しんでいましたが、私は仕事のこと意外は何もできないし、趣味も待たなかった人間なんですよ。それで家でごろごろしていないで、旅行でも行ってきたらと言うことになって、時間はたっぷりあるから、どうせなら行く場所も、期間も決めずに気まぐれな旅に出ることにしましてね、それならユースホステルは安いし、若い人が多くいて今までとは違うことが経験できるんじゃないかって、上の娘に進められまして、今日がその第一日目なんですよ」
 夏樹はおじいさんの話に笑顔で相槌をうっていた。
「以前に兼六園の雪つりをテレビの旅番組で見たのを思いだして、ちょうど今のころに行けば見られるんじゃないかと思いましてね、東京から真っ直ぐに金沢まで来ましてね。それなのに、あまり雪が積ってなかったものですから、少し残念でした。兼六園にはもう行かれましたか」
「いえ、まだです。さっき、金沢へ着いたばかりで、あした、行ってみようと思っています」
 笑顔でそう言ったが、少し風呂の湯加減が熱いようで、夏樹の本心としてはそろそろ浴槽から出たいのだ。夏樹が話し終わると、おじいさんは直ぐに話を続けたので、浴槽から出るタイミングを逃してしまった。




・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

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2010.04.09 / Top↑
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