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 一月四日の金沢の朝は、一面の銀世界になった。雪景色を見たくて北陸地方への旅に出てきた。ようやく希望が叶い雪を踏みしめることができる。夏樹は部屋からの真っ白な景色を見て、心が躍った。
「おはようございます。雪が降ったで、銀世界や」
 子どのものようにはしゃいだ。

「イマさんまた来ますね、二日間の金沢は楽しかったです。行ってきます」
「いってらっしゃい」
 イマさんは笑顔で見送ってくれた。
 昨夜の約束通りに大学生の男二人、女子大生二人、香川へ帰る女性と夏樹は兼六園に向かった。ユースホステルの外も十センチメートルほどの雪が積っている。雪を踏みながら歩くと、「きゅっきゅっ」と音がする。夏樹にはとても心地の良い音である。
「ええ音やなあ、この音が聞きたかったんや」
「ヒゲさんっておもしろいねえ」
 大学三年のタカギが言った。
「そやかて楽しないかあ、全てのものが白くなってすごく綺麗やんか、それにこの雪を踏む時の「きゅっきゅっ」っていう音がええやんか、俺はこの音がだい好きやねん、京都ではめったに雪なんか積らへんから、この音を聞かれへんやろ」
 靴の中に雪の水分が浸み込み、靴下までがずぶ濡れになって足が冷たくなってきたが、そんなことはお構いなしに、まだ誰も踏み入れていない雪の上を小走りに歩き、雪の感触と「きゅっきゅっ」という音を楽しんだ。
 正月の兼六園は入園無料になっていた。それでも観光客はあまりいなかった。背の高い木には名物の雪吊りが施され、昨夜からの雪が縄全体に積もり白くなって、その中にある木も白い花が咲いたようになっている。
 一緒に兼六園へ来ている他の五人より、はしゃいでいた。

  兼六園
                            雪吊り





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2010.04.26 / Top↑
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