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 快晴ではあるが気温は低く乾燥した空気が、首元に巻いたマフラーの隙間から体中に刺さるように廻っていく。
「あああぁあ、さっぶうう」
 夏樹の他に誰もいない山間で、バイクで走りながら大きな声で叫んだ。寒さを堪えてハンドルを握る手と腕とその先の肩までが、固められたように動かなくなり、首の付け根辺りの肩の筋肉が特に力が入り硬くなってきた。その部分は寒さを通り越して、激痛に変わっていった。
「こんなに寒いのに、なんで走らなあかんのんや」
 そんなに寒いのが嫌いなら、はじめから冬にバイクなど乗らなければ良いのに、なぜ充てもなく寒い冬道を走るのか、若かったからかなあ、未知の地を見たい、行ってみたいという好奇心が旺盛だったのだろう。

 雨が降らないかぎり、休みになれば何処かへ走りに行った。春の日差しが暖かくなり、肩に激痛が残らないようになってきたころには、舗装された道路から未舗装の林道にも入って行くようになった。大抵の場合は行き止まりになってしまうのだが、思いがけないところへ抜ける時もある。そんな冒険的な達成感が楽しく、新しい林道を見つけては入って行った。
 ある時新しく見つけた林道から、二台のトレールバイクが出て来た。
「この人たちは、どこからか抜けて来たんとちゃうかなあ」
 直感でそう思った。躊躇することなくその道に入って行くことにした。しばらく行くと車が走るには少し狭くなり、上りの勾配も大きくなっていたが、道らしきものがさらに山の奥のほうへ続いていた。
「ここで行き止まりなんやろか」
夏樹はバイクを止めて、道の先を覗き込むように眺めた。一台のトレールバイクがゆっくりと降りてきた。そして夏樹の前でバイクを止めて話しかけてきた。
「こんにちは」
「あっ、こんにちは」
 夏樹は突然のことで少し慌てた。



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2010.05.12 / Top↑
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