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 目の前の崖は道ではなかった。しかし、その先の木立の間からは細いけれど道らしきものが見えていた。この崖を登るためにアクセルを全開にして何度か挑戦したが、登りきることはできなかった。その時だった、夏樹が登ってきた道を二百五十CCのトレールバイク二台が、単気筒エンジン特有のけたたましい音を轟かせながら近づき、目の前の崖を簡単に登り走り去って行った。
「やっぱり原付ではあかんなあ」
 クラッチを握りエンジンを回したままで、バイクを降りた。ゆっくりと少しだけクラッチの握りを緩めてエンジンをつなぎ、押す力とエンジンの力の両方で目の前の崖をゆっくりと登った。
 二十メートルほど登ると勾配が少し緩くなり、急勾配の崖を登り終えたようだ。直ぐにバイクに跨り、細い林道をゆっくりと進んだ。直に林道を抜けて舗装された道に出た。
「ここはもしかして花背峠とちゃうか」
 高校生のころに自転車に乗りこの峠を何度か越えたことがあり、見覚えのある風景だった。
 この日から数日後には自動車教習所へ行き、排気量四百CCのバイクに乗れる中型自動二輪コースに申し込んだ。仕事を終えた後に、一時間の授業に毎日通った。
 今では免許制度も少し変わったようだが、その当時は普通免許を取得していると、学課の授業も試験もなく、九時間の実技講習を終えれば実技の卒業検定を受け、合格すれば免許センターに行き、申請すると免許を貰うことができた。
 その教習所へ原付のバイクで通った。行く時は何の問題もないのだが、四百CCのバイクに乗り教習所内を走り終えて原付のバイクに跨ると、とても違和感があり、恐かった。原付のバイクがこんなにも不安定な乗り物であることを、このとき知らされた。


・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

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2010.05.19 / Top↑
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